令和6年8月15日 記者会見
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1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
(問)今月9日、文部科学省の科学技術・学術政策研究所が「科学技術指標2024」を公表しました。注目度の高い論文については、昨年同様、ちょっと低い位置だったのですが、産学連携が活発化しているという結果も出ています。大臣としての受け止めをお願いします。
(答)おっしゃるとおりなのですが、トップ10パーセントの補正論文数は、世界順位で昨年同様の第13位ということで、我が国の研究水準の相対的な立ち位置の低下が示されていると思いますので、これは非常に大きな危機感を持っております。
他方、日本の大学と民間企業との「共同研究」の受入額は、継続的に増加しておりまして、2022年度には1,000億円に到達したほか、日本の大学発ベンチャー企業数が順調に増加しております。ですから、産学連携は活発化していると思っております。
また、博士課程の入学者数につきましても、2023年度には対前年度比で4.4パーセント増加しておりまして、博士号取得者数が微増するといった傾向にありますので、前向きな兆しが出てきていることは嬉しく思っております。
この研究水準の相対的立ち位置の低下の背景として申し上げられるのは、一つは研究者の研究時間の減少という問題。それから二つ目に、日本の大学が世界の大学と比べて、外部資金を十分活用できず、事業規模が小さくなっているということ。三つ目に、この博士号取得者の多様なキャリアパスが十分開けていないことなどがあると考えております。
このため、今行っていることなのですけれども、研究者の研究時間の確保に向けましては、補助金などの申請や評価に対する負担の軽減に取り組むよう促しているほか、国際卓越研究大学への支援、それから、「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」による地域の中核大学や特定分野の強みを持つ大学の機能強化に向けた支援策を講じております。
また、博士後期課程の学生の方々への経済的支援の充実も図っておりますし、若手研究者の方がじっくり腰を据えて研究に専念できるための事業にも取り組んでおります。
今年は特に、経済財政諮問会議にお呼びいただきましたときにも、運営費交付金を増やさなければならない旨、発言をさせていただきました。こういった運営費交付金などの「基盤的経費」と、優れた研究や目的を特定した研究等を支援する「競争的研究費」のデュアルサポートが重要だと考えています。
ですから、研究環境の改善に向けた取組を関係府省で連携しながら、着実に推進することによって、我が国の研究力の向上、そして、イノベーションの創出を図ってまいりたいと思っております。
(問)昨日、岸田総理が、次の総裁選には出馬しないという意向を表明されました。これで程なくして政権退陣ということになりますけれども、まず、その受け止めを教えてください。また、併せて、今日、他の閣僚から総裁選に向けた発言がいくつか出ておりますけれども、御自身の対応、もし今決まっているものがあれば教えてください。
(答)まず、昨日、内閣総理大臣の職を辞することにつながるような御発言でございましたので、これは非常に重い御判断をされたと受け止めております。大変驚きました。
ただ、岸田総理が、昨日の記者会見でもおっしゃっていたとおり、現状において取り組まなくてはならない課題は山積しているということ。それから、総理御自身、任期中、できるところまで、総理としての責任において最大限進めていくという旨もおっしゃっています。
ですから、私も岸田内閣の一員として、最後の1日まで、この担当施策は着実に進められるところまで進めていくということで、政策実行に当たっておられる総理をお支えしたいと思っております。
後段の御質問でございますけれども、皆様、御承知のとおり、内閣府の長は、内閣総理大臣でございます。岸田内閣総理大臣でございます。そして、今月も来月も、岸田内閣総理大臣でございます。ですから、総理のお膝元であります内閣府の記者会見の場におきまして、自民党総裁選挙について申し上げることはございません。
(問)セキュリティ・クリアランス制度の法制化、これは安倍元総理が残された課題・宿題を高市大臣が解決されたという形になると思うのですが、その実績をアピールして総裁選に出るということはないのでしょうか。実際、もう既に、安倍派の議員に推薦人になってほしいというふうに働きかけているという一部報道もあるものですから、その辺の意気込みを是非お伺いしたいのですが。
(答)まず、「重要経済安保情報保護活用法」につきましては、おかげさまで、成立いたしまして公布もされました。ですから、これから「政令」、そして「運用基準」を定めてまいらなければいけないという非常に大きな作業がございますので、ぎりぎりいっぱい、次の新しい総理が決められるまで、私は閣僚だと考えておりますので、しっかりと進めていかなければなりません。
また、今月は概算要求もございます。それから、核融合の有識者会議もございますので、しっかりと自分の担務を進めていくということでございます。
(問)総裁選につなげるお考えはないのですか。安倍派に実績をアピールして総裁選に出馬するという意気込みについてはいかがでしょう。
(答)先ほど申し上げましたとおり、ここは内閣府の記者会見の場でございますので、自民党の総裁選挙について、私から何か申し上げるようなことはございません。
(問)あと最後に、能登半島の震災復興が非常に遅れていると。先日も輪島に行ってきたのですが、震災直後とあまり変わりない光景が広がっていると。復旧・復興が遅れている一因として、以前も指摘なさった万博の工事との資材・人材の奪い合いが一因になっているのではないかという点については、現時点でどうお考えに、御覧になっているでしょうか。
(答)能登半島の復興を今も一生懸命やってくださっている方、たくさんおられます。確かに、資材の高騰という問題はございますし、また、人手も、全国各地どこの現場においても厳しい状況であることは分かっております。
しかしながら、総理の御判断として、万博については予定どおり進めていくということでございますし、能登半島の復興も、確実に進めていかなければならない課題であると思っております。
(問)以前お聞きになったゼネコンの方はどうおっしゃっていたのでしょうか。
(答)あの時点では、海外パビリオンの着工が1か所だけということで、まだ進んでおりませんでしたので、そのタイミングで、一国会議員として申し上げたことでございます。ゼネコンの方からも、その後もお話は聞いておりますけれども、岸田総理から齋藤経済産業大臣に対して、復興に悪影響が出ないようしっかり管理しながら進めていくように御指示があったことでございますので、しっかりと経済産業省において対応されるべきものだと思っております。
(問)質問が重なってしまうのですけれども、総理のほうも、今日、閣僚懇が終わった後に、気兼ねなく堂々と議論を進めてほしいとおっしゃっていることですし、閣僚会見の場だということは重々存じておるのですが、総裁選についてどう対応なさるか、今ちょっと話に出た、齋藤大臣も意欲をお示しになさっていますし、いかがでしょうか。
(答)私の考え方は変わりません。ここは内閣府の大臣記者会見の場でございますし、本当に最後の一日まで、総理から御下命のあった課題がありますので、一生懸命取り組んでまいります。
(問)高市大臣、ちょっと質問の仕方を、やはり総裁選絡みのことをお伺いしたいのですけれども、内閣府の大臣として、岸田総理は不出馬を表明されました。次の総理が、一応、自民党の総裁として選ばれた方が総理大臣になる。では、高市大臣から見て、次の総理にふさわしい方は、どういう条件を持った方なのでしょうか。
(答)次の内閣総理大臣にふさわしい方がどういった方かということについて、私があれこれ申し上げるべきものでもないと思っております。
ただ、私が岸田総理に大変感謝を申し上げているのは、一昨年までは政調会長としてお仕えをしてまいり、その間、衆議院選挙の公約や参議院選挙の公約も書かせていただき、その後、私は今の職に就きました。
その中で、公約にも書かせていただいたことも含めて、この内閣でしっかりと実現する、そのための道筋を開いていただいたということです。現在の私の担当としては、経済安全保障、ここも1本法律があったところにもう一段ということで、新しい法律を作らせていただきましたし、次世代革新炉や核融合についても触れておりましたが、それについてもしっかりと仕事をさせていただいたということで、大変有り難く思っております。
これからのことでございますので、また次の総理になられる方がしっかりと国家観をお示しになり、具体的な政策をお示しになり、その下で、みんなで力を合わせていくということになるのではないでしょうか。