令和6年1月16日 記者会見
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1.発言要旨
経済安全保障担当大臣として報告を申し上げます。
経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度につきまして、明日17日に第10回有識者会議を開催し、「最終取りまとめ案」について御議論をいただきたいと考えております。明日の御議論を踏まえまして、必要に応じ委員の皆様や座長の御意見を反映させ、有識者会議として合意をいただいた後、改めて私から最終取りまとめについて発表させていただく予定でございます。次期通常国会における法案提出に向けて、有識者会議の最終取りまとめも踏まえ、準備を進めてまいりたいと存じます。
2.質疑応答
(問)昨年12月に、政府等が保有するAI学習に活用可能なデータに関するコミュニケーション窓口を設置されたと思いますが、現在までの相談状況等について教えてください。
(答)昨年12月22日に、官公庁や国立研究機関など政府関連機関が保有するAI学習に活用可能なデータに関して、AI開発者からのニーズに応じたデータの提供や、その活用を促進することを目的として、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局に事業者の皆様とのコミュニケーション窓口を設置いたしました。
現在まででございますが、3件の御質問や御要望がありまして、担当部局で確認を行っております。引き続き幅広く御質問や御要望を受け付けております。内閣府としても丁寧に対応を行ってまいりますので、御活用くださいませ。
(問)先ほど御発言があったセキュリティ・クリアランスの件について、先ほど、明日の有識者会議の合意の後に、改めて最終取りまとめについて発表ということですが、これは明日発表されるのか、それともまた別日に大臣から発表される予定ということなのか、確認をしたかったのが1点。
また今後の法案に向けてのスケジュール感について、今、地震対応等々ありますが、明日、仮に最終取りまとめが合意されたとして、いつ頃までに関連する法律の閣議決定を目指したいのか、目標でもよいので、もしあればお聞かせください。
(答)まず、発表ということでございますけれども、明日、会議が終わってから、まず事務方でブリーフをするんですかね。その後(後日)、この大臣会見の場でやらせていただけるとありがたいと存じます。
それから、スケジュール感ですけれども、かねてから申し上げておりますとおり、今年の通常国会提出に向けて準備を進めております。ただ、何月何日に提出といった、具体的なスケジュールなどについて確定したものではございません。
(問)続けてセキュリティ・クリアランス関連でお伺いします。第10回を今回迎えるに当たって、大臣として最後、このような点を議論したいといった意気込みをまず伺えたらと思います。
(答)明日は最終取りまとめ案について御議論をいただく予定でございます。私も出席する予定でございますので、これまで各論点について御議論いただきましたが、その総仕上げとなるものでございますので、有識者の皆様の御意見、私もしっかりと拝聴したいと思っております。
(問)あわせて、大臣はこれまで記者会見の場でも、セキュリティ・クリアランスは経済安全保障推進法を改正する形で対応していきたいとお話しされてきたかと思います。「重要経済安全保障情報保護利用制限法」という形で法案を通常国会に提出するという一部報道もございますが、引き続き経済安保推進法でいくのか、大臣の今のお考えを伺えたらと思います。
(答)まだ法律案の名称やその条文、具体的な内容について、確定はしておりませんけれども、今おっしゃいましたような新法の可能性も排除せずに検討を進めております。
(問)月面開発の「アルテミス計画」について伺います。アメリカのNASAが先週の9日に、「アルテミス計画」の人類の月面着陸の計画について、2025年から2026年9月に先送りすると発表をしました。この計画の遅れについて、日本にはどのような影響が及ぶのか、大臣としての見解を教えていただけないでしょうか。
(答)NASAによりますと、一昨年のミッション「アルテミスⅠ」で明らかになった、有人飛行のための安全面での課題への対応に時間を要することが、この後ろ倒しの主な理由ということでございます。
有人で月を周回する試験飛行を含む「アルテミスⅡ」は、2024年11月から2025年9月になり、また御指摘の有人月面着陸を含む「アルテミスⅢ」は2025年12月から2026年9月打上げにするということでございます。
搭乗される宇宙飛行士が月面に到達して地球に帰還するための必要な安全性は、絶対に確保されなければなりませんので、今回の延期はそのために必要だと考えております。
昨年2月に、私からもNASAのネルソン長官に、2020年代後半の日本人宇宙飛行士の月面着陸を目指している旨などお伝えしておりますので、まさに日本人宇宙飛行士も搭乗するものでございますから、やはり安全性への配慮は歓迎したいと思っております。
我が国への影響ということですが、今回のNASAの発表では、2028年に打上げを予定しているミッション「アルテミスⅣ」や、それ以降の有人月面着陸のスケジュールについては変更されていないと承知していますので、現段階で日本に対する影響が出ているとは考えておりません。
(問)台湾総統選挙がありましたが、経済安全保障担当大臣としては、今回の結果をどのように受け止めておりますでしょうか。
(答)まず閣僚の立場で、例えば、それが日本国内の地方選挙であれ、国外の選挙であれ、その結果の是非についてコメントをすることはございません。
ただ、民主的な選挙の円滑な実施と、それから頼清徳さんの御当選には心から祝意を表します。台湾は、我が国にとって基本的な価値観を共有する極めて重要なパートナーであり、また大切な友人でございますので、これからも日台間の協力、また交流のさらなる深化を図っていきたいと思っております。