令和5年12月1日 記者会見
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1.発言要旨
科学技術政策担当大臣として報告いたします。
今年4月に策定した「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」の状況について、お話しいたします。
昨日、ITER機構のバラバスキ機構長が岸田総理を表敬された折に、総理からは「フュージョンエネルギーの早期実現に向けて取組を加速していく」との御発言がございました。
内閣府としましては、産業育成に関する取組を進めておりますので、その動きをお話しいたします。
1点目は、産業協議会の設立についてでございます。
既に、幅広い業種の企業から問合せが寄せられておりますが、この度、関連産業の育成を目的として、新たに一般社団法人の今年度中の設立を見据えまして、来週中を目途に内閣府のホームページに登録窓口を掲載いたします。関心のある企業におかれましては、積極的な参加をお願い申し上げます。
2点目は、安全規制に関する検討についてでございます。
民間企業の参画を促進するためには、早期に安全規制を検討する必要がございます。既に米国や英国では、核融合については核分裂とは異なる規制を適用する方針を示しております。我が国においても産業化に乗り遅れないように、今後設立される産業協議会とも連携して、安全確保の基本的な考え方を策定します。
なお本日、茨城県にあるJT-60SAの運転開始記念式典に出席することといたしております。国家戦略を踏まえて、フュージョンエネルギー及び関連産業の発展に向けて取り組んでまいります。
2.質疑応答
(問)先日、JAXAがサイバー攻撃を受けていたことを外部から指摘されていましたが、宇宙の重要性がこうやって高まる中で、JAXAのサイバーセキュリティ機能をどのように強化していくのか、大臣のお考えを教えてください。
(答)JAXAのみならず政府機関を含めてサイバー攻撃が相次いでいる、民間企業においてもそのような事案が報告されていることを考えますと、サイバー空間における脅威は高まっていると考えております。
言うまでもなく、宇宙分野は、ロケットや衛星といった安全保障にも関わる様々な機微情報を扱っています。現時点では、JAXAについては、こういった機微な情報の漏えいは確認されてないということでございますが、やはり重大な事案だと認識しています。
JAXAは今後、機能と役割が一層強化されます。我が国の宇宙開発の中核的機関でございますので、今回のような事案への危機意識をしっかりと持った上で、まず詳細に調査をしていただいて、その結果に基づいて必要な対策を取っていただかなければなりません。また、内部でセキュリティをチェックする体制も再確認していただいて、今後に備える必要があると考えます。
(問)昨日の「知的財産戦略本部 構想委員会」で、「クールジャパン戦略」を来年6月に向けて策定するというお話がありました。前回が2019年ですので、世界情勢を含めてかなり変わっている部分があると思いますが、策定に向けた大臣の思いをお聞かせください。
(答)現在の「クールジャパン戦略」は2019年9月のものでございますから、もう4年が経過しています。アフターコロナという状況もあり、やはり国内外の様々な情勢の変化を踏まえた新しい戦略が必要となっています。来年で5年ということで、次の「クールジャパン戦略」策定に向けたキックオフとなる会議を昨日、第1回として開催したわけでございます。
昨日の会議では、新しい戦略において対応が必要な課題として、「マンガ・アニメなど我が国の優れたコンテンツや農水産物の輸出、インバウンドなど、海外展開のさらなる推進」、それから以前より申し上げてまいりましたが、「クリエーターが挑戦しやすい環境の整備、またグローバルな活躍に向けた支援の在り方、コンテンツ産業の構造改革」、そして「海外マーケットの新規開拓や多角化」などについて、論点をお示しして、有識者の皆様には活発な御議論をいただきました。
我が国の国際競争力を高めていく上で実効性のある戦略となるように、有識者との議論を進めてまいりたいと思っております。
(問)今朝の一部報道で、自民党の清和会のパーティー券収入の一部を、所属議員に裏金として還流していた可能性があるという報道がありました。大臣は2011年まで清和会にいらっしゃったと思いますが、当時、こうした制度を耳にしたことはありますでしょうか。もしくは、その制度というのはあったのでしょうか。
(答)大臣会見の場で申し上げるにふさわしい話題ではないと思っております。
私は平成23年、つまり24年の安倍晋三先生の総裁選挙の再挑戦を目指す中で派閥を退会しました。ただ、それまで派閥のパーティーと言いましても、割り当てられた枚数を売り切るのが精一杯でございましたので、そのように余計に販売をして返していただくような話には至ってなかったと記憶いたしております。
その仕組み自体が、今、私には分かりませんので、何とも申し上げようがございません。