令和5年7月28日 記者会見
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1.発言要旨
科学技術政策担当大臣として報告を申し上げます。
昨日、7月27日に、原子力委員会におきまして「令和4年度版原子力白書」を取りまとめ、本日の閣議で資料配付いたしました。
白書では、原子力委員会が今年2月に改定した「原子力利用に関する基本的考え方」の内容を踏まえ、原子力政策に関する現状や、事業者の取組などを説明しています。
特に本年は、「原子力に関する研究開発・イノベーションの動向」をテーマとする特集を組みました。革新炉や廃炉などの研究開発について掘り下げるとともに、原子力委員会としての見解を取りまとめています。
この白書を通じまして、国民の皆様の原子力利用に関する取組について御理解が深まることを期待するとともに、透明性を確保してまいりたいと存じます。
2.質疑応答
(問)原子力白書のことについてですが、今回の「原子力に関する研究開発・イノベーションの動向」を踏まえて、今後の日本の原子力政策をどのようにお考えなのか。また、今回7つのトピックスを取り上げていますが、その中で大臣として注目しているのはどこでしょうか。
(答)カーボンニュートラルの実現や、エネルギー安全保障の確保の観点から、世界各地で原子力のエネルギー利用に関する研究開発は活発化しております。我が国におきましても、原子炉の長期利用や安全性の向上、バックエンドに関する研究開発について、世界をリードしていけるように、産学官が連携して取り組んでいくことは重要と考えております。
一方、原子力白書で指摘されているとおり、これらの研究開発につきましては、国民の皆様からの信頼が大前提でございます。そのため、メリットだけではなく、課題についても明らかにし、透明性を確保しながら取り組む必要があると思っております。
また、特集として記載しております7つの研究開発については、いずれも原子力利用に向けては重要でございます。
特に世界中で活発に進んでおります革新炉の開発につきましては、安全性の向上が期待できるもので、我が国の企業・研究機関も海外プロジェクトに参画して研究開発に貢献しております。日本の高い技術力が評価されているものと考え、大いに期待しております。
また、医療分野や工業分野においても、原子力は大きな役割を担っております。放射線による内部透視技術のトピックについても、通常の検査技術よりも効率的・効果的な社会インフラの保全に貢献するものですので、こちらも研究開発の進展に期待をいたしております。
(問)ITER(国際熱核融合実験炉)について、運転の開始は2025年から2027年以降になるとの報道が一部出ていましたが、事実関係について、御存知のことがあれば教えてください。
(答)新型コロナ感染症の影響や、「人類初」の機器製作ですので、一部技術的困難が生じていることは聞いておりました。その影響を最小化すべく、ITER機構で計画、スケジュールの更新作業が進められているとのことでございます。
スケジュールですが、ITER機構から提案を受けた後に専門家による精査を行って、更にITER理事会で承認することになります。現在は、まだITER機構からの提案を待っている段階と聞いております。詳細は文部科学省にお尋ねください。
(問)毎日新聞調査で、入閣してほしい閣僚に高市大臣が選ばれていたんですが、受け止めがあればお願いします。
(答)閣僚人事は総理の専権事項でございますので、特に私から申し上げるべきことはございません。タイムリミットがいつなのか分かりませんが、現在は、とにかく岸田内閣が1つでも多くの実績を積み上げられるようにとの非常に強い思いで、働かせていただいております。