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令和5年6月30日 記者会見

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1.発言要旨

 

 科学技術政策担当大臣として報告を申し上げます。

 昨日、6月29日、国立研究開発法人の理事長などが参加する会議におきまして、産総研の中国籍研究員が逮捕された事案を踏まえ、研究インテグリティの確保及び、国立研究開発法人の情報管理につきまして、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局より徹底を依頼いたしました。

 研究インテグリティの更なる確保に向けましては、研究機関が研究者から報告を受けた兼業や海外への渡航などに関する情報について、リスクレベルに応じて別途入手可能な情報との比較を行うなど、リスクマネジメントの仕組み整備の重要性について事務レベルの通知を昨日付で発出いたしました。

 大学や研究機関向けの「研究の国際化・オープン化に伴う新たなリスクに対するチェックリスト(雛形)」の改定版も添付をしました。

 リスクマネジメントの仕組みの整備の状況につきましては、今後、フォローアップ調査も実施したいと考えております。

 国立研究開発法人の研究開発能力の強化にとって、卓越した外国人研究者の能力の活用は重要でございますが、それと同時に各法人で情報セキュリティなどの強化も含め、機密情報をしっかり守る取組が求められます。そのための必要な体制を整え、対応していただきたいと考えております。

 

 

2.質疑応答

 

(問)先日、健康・医療戦略推進本部で医療分野の研究開発の調整費の配分が決定されました。この中でAMEDの三島理事長が、新しい枠組みを提案して認められましたが、大臣として、どう評価されていますでしょうか。

 

(答)健康・医療戦略推進本部を6月26日(月)に持ち回りで開催しました。令和5年度第1回医療分野の研究開発関連の調整費として、116.5億円の配分を決定しました。

 これまでの調整費は、年度途中の研究加速のための単年度措置が主でございました。今回の調整費では、理事長裁量型経費として、ゲノム医療や個別化医療の実現を目指して、ゲノム研究を創薬等の出口に繋げるため、調整費の機動的な性質を活かして、複数年度で継続して、異業種・異分野が連携した新しい体制を構築しました。

 この取組により、変化が激しいゲノム研究の領域において、AIをはじめとする多様な知の融合を図って、創薬など出口に繋げる研究開発を積極的に推進してまいりたいと思っております。

 

(問)先日のAI戦略会議で大臣が問題提起されたガイドラインについて、少なくとも生成AIに関する記述が必要だとおっしゃいました。大臣は以前から、外部の生成AIサービスを、公的機関や研究機関が使う際は、情報漏えいのリスクを踏まえて、機微な情報を扱う場合は、約款型ではなく契約型が望ましいとおっしゃっていました。この点について、ガイドラインに盛り込むべきかどうか、また経済安全保障の観点から、その他どのような注意するべきかについて、大臣のお考えを伺います。

 

(答)生成AIに限らず、政府機関におきましては、クラウドサービスなど外部サービスを利用する場合には、情報の適正な取扱いが確保されることが大前提でございます。

 その上で、ChatGPTなどの生成AIの業務利用に関しては、5月8日の関係省庁の申し合わせにより、要機密情報を扱う場合には、約款型外部サービスは原則として使えない、また個別契約などの約款型外部サービスではない形態の場合には、その検討の段階で、検討状況を「AI戦略チーム」に報告して、了解を得ることになっております。

 AIに関するガイドラインについては、今後、総務省の「国際的な議論のためのAI開発ガイドライン」「AI利活用ガイドライン」、経済産業省の「AI原則実践のためのガバナンスガイドライン」について、生成AIを踏まえた改定の上、統合する予定となりました。

 具体的な検討はまだ始まったばかりでございます。両省の有識者会議の委員の皆様をはじめ、様々な意見があると思いますが、適切な改定が行われると思っております。

 経済安全保障の観点からですが、最先端の研究を行う研究者や開発者の方々が生成AIを使う場合に、意図せずに情報漏えいすることのないように、周知徹底を行っていくことが重要だと考えます。

 今後、政府の方でガイドラインが改定、統合されるということですので、是非、開発者・提供者・利用者の方々に、これらを参照して頂きたいと思っております。

 

(問)先日、JAXAがH3ロケット2号機に2つの超小型衛星を相乗りさせる方針を示しています。その受け止めと、片方は民間のものだと思いますが、「だいち3号」の補完的な役割を期待されるところで、どこまで活用ができる見通しがあるのか、教えてください。

 

(答)6月27日にJAXAから、H3ロケット試験機2号機につきまして、ロケット性能確認用ペイロード、これは必ず搭載するということですが、これと相乗りさせる超小型衛星2基を選定したという説明があったことは承知しています。

 今回選定された衛星ですが、いずれも日本国内で開発された衛星でございます。1つは、災害時の緊急観測などで活用が期待される衛星です。もう1つは、工場の排熱などの観測による経済活動の状況把握での活用が期待される衛星だと伺っております。

 H3ロケットは、他国に依存することなく、宇宙へのアクセスを確保していく上で、重要な基幹ロケットでございます。また、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて、世界的にロケットが不足している。その中で、打上げ機会を提供できることは大変喜ばしいと思っております。

 「災害観測用途」の衛星ですが、この衛星によって得られる観測データの活用方針は、衛星の運用者とJAXAとの間で検討する予定と聞いておりますので、現段階での詳細につきましては、文部科学省にお尋ねをいただけたらと存じます。

 

(問)重要土地調査法に基づく特別注視区域などの指定について伺います。

 本日の審議会で161箇所の指定が了承される見通しです。実際に指定されれば、政府が見込む約600箇所の3割程度の指定が達成されますが、その受け止めをお願いいたします。

 また、この間開設されたコールセンターにどのような意見が寄せられて、どう政府として不安払拭等に取り組んでいくのかについての御見解もお願いいたします。

 

(答)今日の13時から第5回の土地等利用状況審議会を開催します。私も出席する予定です。

 今回は2回目の区域指定について、関係地方公共団体からの御意見聴取の結果、また関係行政機関の長との協議の結果を踏まえながら、御審議をいただく予定でございます。

 区域指定ですが、長年にわたって国会や政党で議論されてきた「安全保障の観点から、土地などの利用をどのように管理すべきか」という課題の解決に向けた重要なプロセスでございます。

 今回指定されますと、1回目の区域指定が58箇所でございましたので、合計すると219箇所が指定されることになります。今後も着実に指定が進められるように取り組んでまいりたいと思っています。

 コールセンターでございますが、お問い合わせの大半が区域指定の状況の確認でございます。そのほか、特別注視区域における届出に関するお問い合わせも多くいただいております。

 本日開催される審議会の詳細、またコールセンターに対するお問い合わせなどにつきまして、審議会終了後に記者ブリーフィングをさせていただきます。

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