令和5年4月18日 記者会見
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1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
(問)先日、宇宙政策委員会で次期「宇宙基本計画」の案が示されました。改めて、現行の計画と比べて、新しく注力したポイントがどこにあるのか、教えてください。
(答)あくまでも宇宙政策委員会での案の段階でございまして、まだ与党で御議論をいただいたり、パブリックコメントを行ったりと手続がございます。最終的な内容ではございません。
その上で、今、宇宙システムの役割が非常に大きくなっている中で、我が国の宇宙活動の自立性を維持・強化する、そして宇宙先進国の一角として世界をリードしていくことが重要だと思っております。
今の段階の改定案の要点でございますが、第1に、宇宙利用の将来像を示して、その実現に向けた取組を進めること。第2に、新たに策定する「宇宙技術ビジョン」に基づき、技術開発を強化すること。第3に、国際市場で勝ち残る意思と技術、事業モデルを有する企業を戦略的に育成し、支援すること。第4に、宇宙開発の中核機関であるJAXAの役割と機能を強化すること、でございます。
今年の夏の閣議決定に向けて、関係省庁の御協力をいただきながら、また宇宙政策委員の皆様の御知見、御意見も踏まえながら、しっかりと検討を続けてまいります。
(問)2点ありますが、G7仙台科学技術大臣会合の準備の進捗と、それからもうそろそろまとまると思いますが、「統合イノベーション戦略2023」の進捗状況が分かれば教えていただければと思います。
(答)G7仙台科学技術大臣会合ですが、5月12日から開催されます。テーマは、「信頼に基づくオープンで発展性のある研究エコシステムの実現」でございます。
G7各国の科学技術大臣との間で調整を進めてまいりましたが、第1に科学研究の自由と包摂性の尊重とオープンサイエンスの推進、第2に研究セキュリティ・研究インテグリティの取組による信頼できる科学研究の推進、第3に気候変動などの地球規模課題解決に向けた科学技術国際協力、を中心に議論したいと考えております。
第1の科学研究の自由と包摂性の尊重とオープンサイエンスの推進についてですが、研究データや論文を含む科学的知見を発信して、世界の方々が新しい知識の創造による利益を享受できるようにする観点から、大臣会合に合わせて、我が国としても研究データや学術論文に関する即時オープンアクセスの方針を打ち出すことを検討しております。この方針の重要性について、各国の共通理解を形成したいと考えています。
第2の研究セキュリティ・研究インテグリティの取組による信頼ある科学研究の推進についてですが、公正で健全な国際協力の強化に貢献する観点から、研究者の科学研究の自由を尊重しながらも、重要な研究開発を保護するための措置について検討してまいります。
第3の宇宙空間の利用と海洋機能の更なる理解、研究インフラやその成果の利活用に関する国際協力についてですが、宇宙・海洋分野の国際協力については、気候変動や生態系の破壊、大規模自然災害などについて、革新的な解決策を見出すために重要な役割を担っております。この協力を進める上での課題を検討してまいりたい、議論してまいりたいと思っております。
また、大規模研究インフラの幅広い国際共同利用、物理的機能とデジタル機能の相互連携の向上により研究開発を革新し、研究開発手法のみならず経済にも影響を与えるイノベーションを推進する方策について、議論したいと思っております。
なお、一部報道におきまして成果文書案などが出ておりますが、まだ各国と調整中の段階でございますので、成果文書については、言及は差し控えさせていただきます。
また、「統合イノベーション戦略」については、6月上旬から中旬を目途に取りまとめたいと考えておりまして、CSTI内及び関係省庁と今、調整をしているところでございます。
(問)靖国神社が今月21日から23日に春季の例大祭期間に入りますが、高市大臣は今回の例大祭期間に参拝予定がございますでしょうか。また参拝されない場合に、代わりに真榊の奉納をされる御予定があるか、お伺いしたいです。
(答)プライベートな事柄でありますので、この場で申し上げることはございません。
(問)岸田総理の選挙応援会場で爆発物が投げ込まれた事件について伺います。
街頭演説や支援者向けの集会においては、警護対象者と聴衆との距離が近くなりがちとなり、今回改めて警備の難しさが指摘されている状況です。大臣も警護対象者になりますけれども、事件の受止めと、また政治家の方の演説、それに伴う警備・警護の在り方についてどう考えるか、御見解を教えてください。
(答)岸田総理が御無事だったことについては安心をいたしましたけれども、怪我をされた地元の方、また警察官の方もおられると報じられておりますので、心よりお見舞いを申し上げます。
選挙というのは、民主主義の根幹を成すものですから、今回のような暴力行為は断じて許されるものではございません。私たち政治家にとって選挙運動というのは、有権者の皆様に政策を直接訴えかける貴重な機会でございますので、このような暴力行為によって妨げられることはあってはなりません。
警護の難しさも、十分に私にも予想がつきます。特に昨年、私の故郷であります奈良県で、安倍晋三元総理がお亡くなりになるという、大変悲しい事件がございました。私自身も警護対象者である間は、各都道府県に党務で出張することが週末など多々ございますけれども、現地の都道府県警の方々の御負担を色々考えますと、街頭演説については警護が相当負担になるだろうと、昨年の夏以来、箱物限定にしてまいりました。
しかし、そのこと自体が、もしかしたら暴力行為に負けていることになるのかもしれませんけれども、街頭にあっての警護というのは相当難しいものだということも分かりました。特に、昨年の夏の事件以来、東京から付いて行かれたSPさんも入院されたと聞きましたし、地元奈良県警の方々も大変なショックを受けておられました。
その後、警察庁において様々警護の強化もなされ、今回の岸田総理に対する事件に関しましても、速やかに警護の強化がなされたことは承知をいたしております。けれども、これは政治家側と、また各都道府県警、警視庁の警護がどのレベルだったらできるのかということは、私たち政治家も考えていかなければいけないと思っております。
もちろん、警護対象者でなくなりましたら、自由に街に飛び出すつもりでございますけれども、どうしても各都道府県警の御負担というところに私の場合は気持ちが行ってしまうということもございます。
それからもう一つ、現場におられた方々、演説を聞きに集まってこられた方々の心のケアも必要だろうと思っております。特に、昨年の夏に奈良県で安倍総理がお亡くなりになった時に、奈良1区であった演説会ですが、奈良2区からも3区からも青年局のメンバーなどがボランティアで出ておりました。あの後、随分多くのボランティアに出てくださった方々がトラウマに苦しみ、夜も寝られない、仕事にも影響が出るという状況が長く続きまして、私どもの自民党奈良県第二選挙区支部でも心療内科を手配するといったことも続きましたので、今回の和歌山での事件につきましても、現場におられた方の心のケアというのも、地元で、対応されることだとは思いますけれども、最大限の配慮が必要な事柄だと感じております。
(問)今の質問に関連して、岸田首相は事件後も予定を変更せずに演説を続けられました。そのことに関しての大臣の受止めをお願いします。
(答)それはやはり自民党総裁として、事件があったからそこで遊説を取りやめることは、誤ったメッセージを発することになるという御判断からだと思っております。
また、事件を受けて、その日のうちに他の地域でも警護態勢が強化されたと承知をいたしております。
なかなか難しい対応だろうと感じております。特に、各都道府県警の皆様や警視庁の皆様の御負担は、街頭演説の場合には、どうしても私たちが有権者の皆様のそばに行って、私も散々、去年の参議院選挙も、その前の衆議院選挙もグータッチをしたり、聞きに来てくださった皆様の中に飛び込んでいったりしていましたので、それは相当難しい警護をしていただいていたのだろうと感じます。