令和5年4月7日 記者会見
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1.発言要旨
科学技術担当大臣として報告を申し上げます。
科学技術について広く国民の関心と理解を深め、我が国の科学技術の振興を図ることを目的に、昭和35年から「科学技術週間」を毎年開催しています。今年の「科学技術週間」は、4月17日(月)から23日(日)でございます。今年も全国の大学や研究機関、科学館等の120を超える場所で、最先端の大型研究施設の公開や、科学者がこどもたちに語りかける講演会などのイベントが開催される予定でございます。
あわせて、文部科学省では、国民の皆様が科学技術に触れる機会を増やし、基礎的・普遍的な科学知識を普及することを目的とした、「一家に1枚」ポスターを作成しています。2020年から世界中で新型コロナウイルス感染症が大流行しましたが、このウイルスを多角的に理解していただくために、今年は「ウイルス」をテーマにした「一家に1枚」ポスターを全国の学校などに配布しております。
内閣府としても、引き続きSNSやシンポジウム・講演会を通じた情報発信を行いながら、科学技術・イノベーション政策に対する国民の理解醸成に、しっかりと努めてまいります。
私からは以上でございます。
2.質疑応答
(問)安全・安心に関するシンクタンクの基本方針が決定されまして、今後、シンクタンク設立に向けてどのように取り組むのか、教えてください。
(答)安全・安心に関するシンクタンクにつきましては、内閣府において有識者による設立準備の検討会を開催して、検討を続けてまいりました。そこでの検討結果につきましては、昨日開催された総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員懇談会において報告するとともに、私も内容を確認した上で、本日、「シンクタンクの基本設計」として取りまとめを行いました。
今後、この基本設計に基づいて、シンクタンクの組織形態の在り方などについて具体化に向けた検討を更に深めてまいります。そして、人材の育成や先行的な調査研究といった、シンクタンクのコア機能として必要な取組を、委託事業の中で並行して行いながら、安全・安心に関するシンクタンクの設立準備を本格化させてまいりたいと考えております。
(問)JAXAが先日、H3の失敗の影響で、H-ⅡAによるSLIMなどの打上げも8月以降に延期すると発表しました。イプシロンを含めて、日本の基幹ロケットが全て打ち上げられない状況になったことへの受止めをお願いします。
また関連して、SLIMで取得するデータはアルテミス計画での活用が期待されていたと思います。これも遅れが続けば、日本の存在感低下に繋がりかねないと思いますが、こちらも受止めをお願いします。
(答)まず、H-ⅡAロケット47号機の打上げは、本年8月以降に設定する方向で調整中でございます。現在、文部科学省とJAXAで、H3ロケット試験機1号機の打上げ失敗に関する原因究明を進めております。これは、H-ⅡAロケットへの技術的な影響の評価を行った上で、次の打上げに臨むためのものでございます。まずは、早急な原因究明を進めて、対策を講じなければなりません。宇宙政策への影響、また基幹ロケットの今後の打上げ見通しに関しては、その結果次第でございます。
47号機に搭載予定のSLIMでございますが、打上げが8月以降で調整されたのは、月に向かう軌道に投入できるタイミングが8月以降であるからでございます。アルテミス計画での月面着陸にも貢献できるように、まず原因究明をして、しっかりと準備を進めていきたいと考えております。
また、アルテミス計画で最初の月面着陸への貢献のためには、早期にミッションを成功させて、2025年末までに十分なデータを収集して蓄積できることが望ましいと考えております。アルテミス計画での月面着陸は、一度ではなく継続して計画されるものですから、我が国が高精度の着陸技術を実証すること自体に、大いに意義があると考えております。
(問)火曜日に、文科省から国際卓越研究大学の申請状況が公表され、10大学が名乗りを上げています。内閣府も今後、CSTIの有識者議員の先生方も入って審査をしていくと聞いていますので、今回の申請状況について、大臣の御所感をいただければと思います。
(答)合計10件、多くの大学から申請をいただいたことは、研究環境の改善や、国際競争力の強化を図るための大学ファンドによる支援への大きな関心の表れだと思っております。
今後、各大学の審査が開始されるところでございますので、内閣府としても、文科省と連携してしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
(問)小西洋之参議院議員の、いわゆる「サル発言」について、どのような感想をお持ちか教えていただけますか。
(答)他党の国会議員の言動なので、私は評論できる立場にないと思っております。