令和5年2月28日 記者会見
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1.発言要旨
科学技術政策担当の大臣として報告を申し上げます。
本日の閣議におきまして、原子力委員会で2月20日に改定した「原子力利用に関する基本的考え方」を尊重する旨を決定いただきました。
この「基本的考え方」には、国民生活や経済活動に直結するエネルギーの安定供給やカーボンニュートラルに向けた対応などの必要性を踏まえ、原子力エネルギーの活用を図っていくことが重要である旨が記載され、既設原子力発電所の再稼働、長期利用、革新炉の開発・利用、廃棄物の処理・処分などの課題を含めまして、原子力を利用する上での基本的理念・考え方がまとめられていると考えております。
加えて、原子力のエネルギー利用のみならず、医療・工業・農業など様々な分野での放射線利用、研究開発・イノベーション、人材育成なども含めて考え方を示しております。
「基本的考え方」の趣旨を踏まえ、関係省庁を始め関係機関・事業者などにおかれましては、安全確保を大前提として原子力の活用を進めていただきたいと思います。
また、本日の閣議では、原子力基本法の改正案を含む、「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」が決定されました。原子力基本法改正案につきましては、「基本的考え方」の趣旨を踏まえた内容となっており、関連法案と共に、政府として成立に向けて取り組んでいきたいと思います。
2.質疑応答
(問)今月15日に、量子科学技術研究開発機構(QST)の鎌田さんが、ITER機構の副機構長に就任することが決まりました。大臣としての受け止めと今後への期待をお願いします。
(答)ITER機構の副機構長に、茨城県にあるQST那珂研究所副所長の鎌田裕氏が任命されたことが、ITER機構から発表されています。
日本はITER計画に初期から関与をして、ITERの主要機器の製作を担当するなど、計画の推進に当たり主導的な役割を果たしてきております。日本人の副機構長が任命されたことを喜ばしく思っております。
また、鎌田氏につきましては、那珂研究所の核融合実験装置「JT-60」の建設・運転を通じて、核融合に対する高い科学的知見を有しておられます。これを活かしてITER計画を進めていただくことを期待いたしております。
内閣府といたしましては、引き続き、核融合戦略の策定をはじめ、産業界を巻き込んだ核融合開発が着実に進捗するよう、努めてまいります。