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2015年8月28日 記者会見

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〔冒頭発言〕


 皆様、おはようございます。
 今朝は、官邸で閣議、閣僚懇に出席いたしました。

【労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果】

 まず、本日の閣議におきまして、私から労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果について報告しました。ポイントについて申し上げます。
 まず、労働力調査ですけれども、7月の完全失業率は3.3%と、前月に比べ0.1ポイントの低下となり、18年ぶりの低い水準であった本年4月及び5月と同率となりました。就業者数は前年同月に比べ8か月連続で増加しており、うち女性は34か月連続で増加しています。雇用情勢については、改善傾向で推移しております。
 それから、消費者物価指数でございますが、7月の全国の生鮮食品を除く指数は1年前と同水準、これは2年2か月ぶりのことでございます。「電気代」、「都市ガス代」などの値下がりによりまして、前月から上昇幅が縮小しています。昨年末の原油価格下落による、エネルギー価格下落の影響を除きますと、物価の上昇基調は7月も続いていると見ております。
 家計調査でございますけれども、全国2人以上世帯の7月の消費支出は、1年前に比べ実質0.2%の減少と、2か月連続の減少となりました。また、消費支出を季節調整値で見ますと、前月に比べ実質0.6%の増加です。なお、2人以上の勤労者世帯の実収入は、1年前に比べ名目5.7%、実質5.4%の増加です。名目での増加は8か月連続、実質での増加は4か月連続。これらを踏まえますと、消費は緩やかな回復の動きが見られると思います。
 詳細につきましては、担当課に御確認をお願いいたします。

【平成28年度予算の概算要求等(1)】

 それから、先ほど公明党の方でも御了解をいただいたということでございますけれども、8月31日に提出を予定しております平成28年度総務省の概算要求等について御説明させていただきます。
 安倍内閣では、経済の好循環の拡大、経済と財政の一体的な再生、東日本大震災からの復興の加速等に、政府一体となって取り組んでおります。
 政府の一員であります総務省は、国民の生活に直結する重要な分野を所管する官庁でありまして、この取組に大きく貢献すべきであります。また、人材、政策資源ともに、その能力を十分に持っている役所だと考えております。
 特に、「地域経済の再生と財政健全化の実現」、「社会全体のICT化の推進」、「誰もが意欲を持って参画できる社会の実現」、「安心・安全な社会の構築」といった重要課題につきましては、これまで以上に責任感を持って、総務省の全ての力を結集して取り組むことが必要であると考えています。
 このような考えのもと、来年度に向けまして、総務省として果たすべき使命と実現すべき重要施策を「総務省のミッションとアプローチ2016」として取りまとめましたので、今後、ここに記載した施策の実現に向けて努力をしてまいります。
 平成28年度予算概算要求におきましては、この「ミッションとアプローチ」に記載した各施策の実現に必要となる予算を盛り込み、各施策の実行に必要となる予算を中心に、一般会計総額16兆4,983億円を要求することとしました。
 具体的には、「ローカル10,000プロジェクトの推進」、「地域おこし協力隊の推進による地域の自立促進」、「新たな圏域づくりとして連携中枢都市圏・定住自立圏・集落ネットワーク圏の推進」など、活力ある地域づくりを通じた新しい成長を実現するための施策を推進してまいります。
 また、地方財政につきましては、地方団体の皆様が地方創生や防災対策等の重要課題に取り組みつつ、安定的に財政運営を行えるよう、地方が自由に使える一般財源総額を確保することに努め、地方交付税、出口ベースでございますが、16.4兆円を要求しています。
 さらに、「ふるさとテレワークの推進」、「個人属性に応じて情報提供を行う都市サービスの高度化」、「グローバルコミュニケーション計画の推進」、「放送コンテンツの海外展開」など、社会全体のICT化の推進を図り、多様な課題の解決及び持続的経済成長を実現するための施策を推進します。
 そのほか、「個人番号(マイナンバー)制度の円滑な導入と利活用の促進」、「東日本大震災からの復興の着実な推進」、「巨大地震・火山災害等に備えた国民の命を守る消防防災行政の推進」「行政のICT化・BPRの推進」などに係る施策を推進してまいります。
 これらを着実に実行するために、必要な事業に必要な額を確保すべく、弾力的なメリハリのある概算要求を心がけたところであります。
 総務省としては、関係各方面の御理解と御協力をいただきながら、なんとしても必要な予算を確保し、総務省の使命を着実に果たしてまいりたいと考えております。

【地方行政サービス改革の推進に関する留意事項についての大臣通知】

 それから、本日、地方行政サービス改革の推進に関する留意事項について、大臣通知を各都道府県、指定都市の首長、議長宛てに発出いたします。
 これは、先般閣議決定されました「経済財政運営と改革の基本方針2015」等を受け、地方行政サービス改革を推進するにあたっての留意事項を示すものであります。
 各地方公共団体におかれましては、この通知を踏まえて、民間委託等の推進、BPRの手法やICTを活用した業務の見直し、財政マネジメントの強化などに積極的に取り組んでいただきたいと考えています。
 総務省としても、こうした取組を推進するために、民間委託やクラウド化等の各地方自治体における取組状況を比較可能な形で公表し、取組状況の見える化を実施するなど、フォローアップをしてまいります。
 私からは、以上です。


 

〔質疑応答〕


<平成28年度予算の概算要求等(2)>

問: 幹事社の日経新聞です。幹事社からまず1問質問させていただきます。概算要求に関連してなのですけれども、今、中国経済の先行き不安などから、株式や為替の相場が荒い動きになっていますが、大臣はかねてより、「為替変動に強い地域経済づくり」ということを課題に掲げられておりますけれども、そういった観点は今回の概算要求に、どういったところに反映されているのか、お考えを聞かせてください。

答: ローカルアベノミクスの推進に当たりましては、為替変動など外的要因の変化に強い地域の経済構造改革が必要だと考えて取り組んでおります。
 平成28年度予算の概算要求におきましては、地域資源と資金を活用して、より生産性の高い地域密着型企業を次々と立ち上げる「ローカル10,000プロジェクト」、それから、自治体を核として、バイオマス・風力・廃棄物等の地域資源を活用した地域エネルギー事業を次々と立ち上げる「分散型エネルギーインフラプロジェクト」など、「地域経済好循環推進プロジェクト」に56.7億円を計上しました。
 これらの必要な予算を確保することによりまして、自治体を核として、地域の雇用を創出しながら、食・エネルギー・資金の地産地消を強力に進めて、地域経済の好循環を生み出すということで、為替変動にも強い地域経済づくりを推進してまいりたいと思います。何が起きても地産地消という、そういうスタイルが国民の安心にもつながり、また、結果的には為替変動に強い経済構造づくりになると思っております。

<郵政民営化委員会の審議>

問: 朝日新聞の内藤です。郵政民営化委員会が先日開かれまして、委員長の発言でですね、今回審議対象になっているのは、限度額以外に広くあるので、意見をまとめるには時間がかかるというような旨の発言をされていますが、郵政グループの上場を控えて、限度額引上げを与党から要請されていると思うのですが、このペースでは、引上げの結論を出すのが上場までに間に合うのかどうなのか微妙になっていると思うのですが、大臣の見解を教えてください。

答: 郵政民営化を推進する上で、日本郵政グループの企業価値向上を通じて上場の成功を確実なものとしていくことが重要だという認識に立って、郵政民営化委員会に調査審議を要請させていただきました。
 結論の取りまとめ時期を含めて、審議の進め方というのは増田委員長の御判断にかかるわけですけれども、こちらからの調査審議の要請の趣旨を踏まえて、適切に御判断をいただけるものと、私は期待しております。

問: 民営化委員会で結論が出る前に、政府独自で限度額の引上げの判断をするということはないのでしょうか。

答: なかなか難しゅうございます。郵政民営化委員会には、限度額の見直しを含めて、調査審議を要請しております。初回の段階で限度額の見直しに関する資料等も配布をして、総務省の方から説明しておりますので、限度額の見直しというのは外せないテーマであると思います。
 ただ、この結論の取りまとめ時期を含めて、審議の進め方というのは、先ほど申し上げましたとおり、要請の趣旨を踏まえて、委員長において適切に判断いただけるものと期待しております。
 限度額の見直しについては、法律上、政令改正に係る手続きが必要となりますから、委員会から結論が得られ次第、速やかに対応するということになります。

<地方創生の新型交付金>

問: 幹事社からもう1問よろしいですか。地方創生の新型交付金についてなのですけれども、概算要求で約1,000億円、事業費ベースで約2,000億円ということではあるのですが、地方側からは増額を求めるような声というのも挙がっているかと思うんですけれども、大臣としての受け止めは今の段階でいかがでしょうか。

答: 石破大臣の下で、今まで各省が行っていたような、補助金ですとか、助成金ですとか、そういった施策にかからないようなもの、新しい取組について支援をするということで考えておられるものと思います。その総額がこれで十分かどうかということは分かりませんけれども、全ての市町村に対して配分するといった類のものではございませんので、あくまでもこれまでの制度には該当しない、これまでの制度では支援しにくい新たな取組に対して応援をするものでございますので、初年度としては適切なものとして石破大臣が判断をされたと考えております。

問: ほか、よろしいでしょうか。ありがとうございました。

答: どうもお疲れ様でございました。ありがとうございます。

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