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2015年12月25日 記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝は、官邸で、男女共同参画会議、閣議、閣僚懇がございました。

【今年最後の会見】

 まず、本日は、今年最後の記者会見となります。新年1月6日に会見をさせていただいて以来、臨時会見を含めてちょうど今日で100回目に当たるということでございます。
 記者の皆様には、この会見場のみならず、国会の会期中には院内までお運びをいただき、また、私の国内外の出張にも御同行をいただいたりしまして、毎回、的確な御質問、時には厳しい御質問も賜り、本当に感謝をしております。
 特に、総務省の様々な幅広い政策を、国民の皆様に御理解をいただき、御支持をいただいて推進する上では、報道各社の皆様の御理解と御協力は欠かせないものでございます。
 本年最後の会見となりましたので、1年の御厚誼に感謝を申し上げます。

【労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果】

 本日の閣議におきまして、私から労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果について報告をしました。そのポイントを説明申し上げます。
 第1に、労働力調査でございます。
 11月の完全失業率は3.3%と、前月に比べ0.2ポイント上昇しましたけれども、これは人手不足感の高まりに伴いまして、より良い条件の仕事を求めて自発的に離職した方が増加し、一時的に完全失業者が増加したことによるものでございます。
 完全失業率は、本年3月以降、18年ぶりの低い水準である3%台前半で推移しております。
 就業者数も、1年前に比べ8万人増加し、12カ月連続で増加しています。 
 また、15歳から64歳の方々の就業率は、45ヶ月連続の上昇となっております。雇用情勢は、引き続き改善傾向で推移していると考えています。
 第2に消費者物価指数でございます。
 消費者物価指数については、11月の全国の生鮮食品を除く指数は、前年の同じ月に比べ0.1%の上昇と、5カ月ぶりの上昇でございました。
 これは、「生鮮食品を除く食料」の上昇などによるものでございます。
 また、ガソリンなど「エネルギー」は、前年の同じ月に比べると下落しているのですが、10月に比べて11月は下落幅が縮小しました。
 原油価格下落による「エネルギー」価格下落の影響を除きますと、物価の上昇基調は11月も続いていると見られます。
 第3に家計調査でございます。
 全国2人以上世帯の11月の消費支出は、1年前に比べ実質2.9%の減少となりました。リフォーム関係を含む住居の設備修繕・維持などへの支出は増加となっているのですが、自動車購入の減少のほか、11月は全国的に気温が高めで推移したという天候要因によりまして、洋服など冬向けの季節商品への支出が減少となっています。
 詳細につきましては、統計局にお問い合わせをください。

【限度額等の郵政民営化委員会の所見(1)】

 本日、「今後の郵政民営化の推進の在り方に関する郵政民営化委員会の所見」が示されました。
 ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の限度額規制につきまして、賛否両論がある中で、利用者利便の視点を重視していただき、郵政民営化の進捗に応じて段階的に緩和する旨、提言をしていただきました。
 限度額は、長きにわたって引き上げられておらず、今回引き上げられるということになりましたら、ゆうちょ銀行の預入限度額は25年ぶり、かんぽ生命保険の加入限度額は30年ぶりでございまして、これらの引き上げに道筋をつけていただいたと考えています。
 お取りまとめをいただきました郵政民営化委員会の増田委員長及び委員の皆様方に感謝を申し上げますとともに、所見を十分尊重してまいりたいと存じます。
 総務省といたしましては、所見を踏まえまして、金融庁などと連携し、政令改正をするべく、速やかに準備に取りかかりたく思っております。

【平成27年度公務員部各種調査結果】

 平成27年度の地方公共団体定員管理調査、地方公務員給与実態調査、勤務条件等調査の結果について、公表させていただきます。
 まず、地方公共団体の一般職に属する常勤の職員数は、対前年比で約5,000人減少し、約273万8,000人となりました。これは、平成6年をピークとして、平成7年から21年連続の減少となっています。
 次に、地方公務員の給与水準につきましては、国家公務員の給料水準を100とした場合の全地方公共団体平均のラスパイレス指数は、前年比0.1ポイント増の99.0となり、国家公務員の給与減額措置の影響を除き、平成16年以降、12年連続で国を下回っています。
 ただし、個別団体でみますと、一部でラスパイレス指数が国を上回っているなど、まだ課題を残している団体もございます。
 このため、総務省としましては、引き続き、団体間の比較を可能とする給与情報等の徹底した開示・公表や個別団体への助言などにより、地方公共団体における適正な定員管理や給与の適正化を推進してまいります。
 次に、勤務条件等調査につきましては、女性活躍の点では、各地方公共団体の採用試験合格者に占める女性の割合は、39.2%と増加しています。一方、男性の育児休業取得率については1.5%にとどまっておりまして、更なる取組が必要と考えています。
 この調査の詳細につきましては、本会見終了後に、公務員部給与能率推進室から説明させます。

【消防団員入団促進キャンペーン】

 消防庁ではこれまで、毎年1月から3月までを「消防団員入団促進キャンペーン」期間と位置付けまして、消防団員の入団促進に関する広報の全国的な展開を図ってまいりました。
 そして、本年度も引き続き、女性、若者、公務員をはじめとした入団促進や消防団活動に対する事業所の御理解の促進などについて、地方公共団体などと連携して実施します。
 今回のキャンペーンで、地方公共団体に要請する事項といたしまして、消防団員の減少とともに、平均年齢が上昇し、学生をはじめとする若者の入団促進を図る必要がございますことから、昨年度に創設しました「学生消防団活動認証制度」の活用を初めて盛り込みました。
 詳細につきましては、消防庁地域防災室にお問い合わせください。
 私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<平成28年度予算案>

問: 幹事社の毎日新聞、青木です。幹事社から1問お願いします。予算案はできましたが、出来栄えを大臣からお願いします。

答: 平成28年度の予算編成につきましては、私自身も、先日22日に、財務大臣と地方財政ほか重要項目について折衝を行い、昨日、政府案が閣議決定されました。
 地方財政対策につきましては、地方団体の皆様からの御要望が非常に強かった「一般財源総額の確保」、「臨時財政対策債の抑制」、「まち・ひと・しごと創生事業費の確保」への対応など、多くの重要な課題に取り組む必要がございました。
 その結果、一般財源総額については、地方公共団体が安定的な財政運営を行えるよう、前年度を0.1兆円上回る61.7兆円を確保することができました。
 また、地方税が増収する中で、普通でしたら地方交付税総額や臨時財政対策債が減っていくということなのですけれども、今回、地方交付税総額については、昨年度とほぼ同程度の額を確保しながら、赤字地方債である臨時財政対策債の発行を大幅に抑制することができました。
 さらに、「まち・ひと・しごと創生事業費」につきましては、平成28年度においても、引き続き1兆円を計上することができましたので、地方団体の皆様の声に応えることができたと考えています。
 そして、今回、非常にみんなで苦労をしましたのは、「経済・財政再生計画」、これは6月30日に閣議決定したものでございますが、この初年度でもあるということを踏まえまして、地方財政の健全化の推進が重要な課題となっていました。
 総務省では「地域経済再生と財政健全化」の両立に向けまして、「地域経済好循環推進プロジェクト」などローカル・アベノミクスを促進するということ、地方税収の増収に取り組むということで頑張ってきたわけですが、平成28年度におきましては、地方税・地方譲与税などが大きく伸びて、リーマンショック以前の水準となる41.3兆円にまで回復するということが見込まれています。
 これに伴って、折半対象財源不足が大幅に減少して、先ほど申し上げました臨時財政対策債の発行額が前年度から0.7兆円の減となり、大幅に抑制することができました。
 また、交付税特別会計借入金につきましても、償還計画通りに、0.4兆円を償還するということにしましたので、「経済・財政再生計画」初年度の地方財政対策にふさわしいものになったと考えています。

<限度額等の郵政民営化委員会の所見(2)>

問: NHKの篠崎と申します。郵政について、先ほど大臣、政令改正をすべく、速やかに準備をとおっしゃいましたけれども、実際に利用者が何か今回の方向性で利便を受けられるというか、今後のスケジュール感、利用者にとってどの辺で見えてくるかというのが1つ。あともう1点は、今回、限度額の引上げも含めて、民営化を更に進めていくべきだという方向で、今きちんと民営化委員会の報告書も見ているのですけれども、改めて郵政グループに対する期待感というか、今後こうあって欲しいというふうなことがあれば。

答: お手元に資料を配付できていないでしょうか。利用者にとっての利便性ということでは、特に今、過疎が進んでいる地域、それから、高齢化が進んでいる地域についても調べてみたのですが、皆様のお手元にあるのは全国平均的な資料だと思いますけれども、郵便局であれば徒歩圏内にあり、他の金融機関に関しましては、残念ながら徒歩圏内を超えている、特に過疎が進んでいたり、高齢化が進んでいる地域では、数キロ離れているというような県もございました。
 特にご高齢の方の場合、年金が振り込まれてぎりぎり限度額を超えてしまったというようなことが起こりがちでございます。そういう意味では、概ね徒歩圏内にある郵便局でサービスを提供していただきやすくするということは、利用者の利便性にかなうものだと思っています。
 また、郵便局の方も、1,000万円超えるたびに、ご本人に連絡をして、どうしますか、という手間は省けていくわけでございますので、その分の人的資源を、特に地域の方々の見守りも含めて公共的なサービスも展開していただいておりますから、また新たなサービスの展開に振り向けていただきたいという思いがございます。
 今回の郵政民営化委員会の所見を受けまして、日本郵便だけではなく、日本郵政グループ全体として、利用者の利便性というものをしっかり考え、また、企業価値を上げていくということに取り組んでいただきたいと思っております。

<普通交付税の算定>

問: 時事通信の増渕です。今日、福島県が発表しました国勢調査の速報値によりますと、県内全体で人口が大きく減ったほか、大熊町など4つの町で人口がゼロになったと。ほかの自治体でも人口を大きく減らしているという結果が出ました。普通交付税の算定では、人口を踏まえて、算定するものもあると思うのですけれども、ただ、人口が急に減っても財政需要が残る部分があると思うのですけれども、来年の地方交付税の算定においてはどのような対応をとるのかお願いします。

答: まずは、全国どこに住んでいても、必要なサービスが受けられるという状態を作っていくということは、非常に重要なことだと考えております。
 ですから、急激な変化ということはなかなか難しく、それぞれの地域の実態に応じて取り組んでいかなければいけないのですけれども、一方で、財政健全化をしていくということで、28年度から交付税算定においては、基準財政需要額の算定において、トップランナー方式を導入するということにいたしました。また、地方税の実効的な徴収対策を行う地方自治体の徴収率を標準的な徴収率として反映することを決めたわけでございます。
 もう1つ、人口減少について、現状というものをしっかり踏まえて検討していくことが必要です。
 三宅島の例もございましたが、今、被災地においては、前回の調査に比べて大幅に人口が減っているというところもございます。
 しかしながら、また皆さんに町に戻っていただくためにも、復興事業を進めていくためにも、必要な財源というものが生じますので、1月中にしっかりとした方向性を打ち出してまいります。

<限度額等の郵政民営化委員会の所見(3)>

問: 朝日新聞の真海です。限度額の件で、地銀ですとか信金・信組の業界団体は反対の声明を出されていたかと思うのですけれども、その件への配慮とか影響についてはどうお考えでしょうか。

答: 郵政民営化委員会の方では、意見募集をされたり、ヒアリングにおいて金融機関などを中心に、きちんと意見を聞き取っていただきました。限度額の引き上げに慎重なご意見があったということも承知しております。
 しかし、所見にもありますように、限度額の引上げによって、貯金残高が一方的に増加するということは考え難いということ、それから、今は超低金利の下でございますから、他の金融機関からの資金シフトについては懸念の域を出ないということで、なお懸念が残るのであればということで、より慎重な段階を踏むという判断をされて、最初の緩和なので、まずは引上げ額を300万円程度とすることが妥当という判断をされたものだと思っております。
 総務省では、所見が出ましたので、これをしっかり踏まえて、政令の改正に取り組んでまいります。

<マイナンバー制度と住基ネット>

問: 産経の芳賀ですけれども、また住基ネットの件なのですが、住基ネットはマイナンバーのベースになっていると思うのですけど、来年度の予算で、住基ネットの運営自体に100億円とか、自治体が使うデータの移行や中間サーバの運営で、併せて住基ネットの維持のために300億円がかかるようですけれども、総括的に見て、住基ネットの無駄な面はないのかということと、また、マイナンバーに完全に取り込む予定はないのか、その2点についてお願いします。

答: 住基ネットは、行政の中で本人確認情報を利用して、全国共通の本人確認を行うということを可能にするための情報基盤でございます。
 マイナンバー制度の導入後も、住基ネットはマイナンバー制度の基盤として、運用していくことになります。
 年間約100億円、これは地財措置ベースですけれども、この住基ネットの運用経費自体は、マイナンバー制度施行後も、大幅に減るというものではございません。
 住基ネットの活用によって、国の行政機関などに対して、現状、年間約5億8,000万件の本人確認情報が提供されています。平成26年度で年間約4,000万件の年金の現況届や年間約550万件の住民票の写しが省略されているということによりまして、国民の利便性向上や行政効率の向上が実現しています。費用を大幅に上回る効果が出ていると考えています。
 この費用対効果について、網羅的に捉えるというのは困難な面もあるのですが、過去、平成22年度のベースですから前政権の時のもので恐縮なのですが、試算したものがございます。事務・手続の効率化や郵送切手代などの削減による直接的な効果として約160億円、年金の現況届の記入・投函の省略による住民の機会費用等の間接的な効果として約350億円ということで、合計約510億円の効果があったということでございます。
 この住基ネットという基盤を使った上で、更に、国民の皆様の利便性と行政の効率を向上させるというのがマイナンバー制度でございますので、マイナンバー制度が始まると、これまで以上に住基ネットが重要な役割を果たすと考えています。

問: よろしいですか。大臣、本年お世話になりました。

答: こちらこそお世話になりました。お元気で、良いお年をお迎えくださいませ。


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