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2016年9月2日 記者会見

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〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝は、官邸で、閣議と閣僚懇のみでございました。

【台風第10号による大雨等に係る総務省の対応】

 今般の「台風第10号」では、大雨による大規模な浸水被害がございまして、多くの方が亡くなられ、また、行方が分からない方々もいらっしゃるということで、大きな被害が出ています。 お亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された多くの方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。
 現在、北海道と岩手県内の被害の多い地域では、地元の消防職団員の方に住民の救助や避難誘導を実施していただいています。また、岩手県におきましては、6都県の緊急消防援助隊(部隊数92隊、隊員数357名)が、孤立集落の住民の安否確認、ヘリによる被害状況の調査や救助などの活動を実施してくださっています。
 また、通信・放送につきましては、土砂崩れによります伝送路の切断や停電などによりまして、一部の地域ではサービスへの影響が続いていますけれども、関係事業者の皆様による復旧の取組により、改善が進みつつあります。
 昨日の総務省幹部会議でも申し上げたとおり、消防・ライフラインを担当する総務省として、「できることはすべてやる」という心づもりで、引き続き、関係省庁、被災団体、そして地元消防機関、また、関係事業者との連絡を密にしながら、被災地をしっかりと支援してまいります。

【地域防災計画、マニュアルの点検】

 こうした災害に関連しまして、昨日、私から消防庁長官に対して指示した点について申し上げます。
 今回の「台風第10号」をはじめ、近年は気候変動によると考えられます、過去には経験したことのないような集中豪雨などによりまして、従来は安全だと考えられていた地域や場所などで、大きな被害が発生しております。
 私自身の経験を申し上げますと、もうまもなく5年前になりますけれども、当時の台風12号で紀伊半島が大変な被害を受けました。あのときも、奈良県では、過去には想定していなかった水の動きというものが、大変な被害を及ぼすことになりました。川の水が下流から上流に向かって流れていく。上流は安全だと思っていたのが、決してそうではなかった。また、山の斜面の下というのは大変警戒するのですけれども、山が崩れまして、その土砂が川の水に突っ込みまして、水を跳ね上げて対岸が片っ端から破壊されてしまったということで、対岸も決して安全な場所ではなかった。そして、手入れが行き届いていない山林から出た流木が橋脚を破壊してしまい、孤立集落が発生してしまいました。それまで安全だと思われていた避難場所が決して安全な場所ではなかった。上流も含めて相当警戒が必要だということが、当時分かりました。
 今回、「台風第10号」により高齢者福祉施設が被災しました岩泉町でございますけれども、従来のマニュアルに従って、要支援者の早期避難を呼びかけておられたものの、これまで例のない河川の急激な水位の上昇のために、避難勧告を発令できなかったと聞いております。
 総務省でも、これまで各市町村長が避難勧告などを適時適切に発令できるように、あらかじめ判断基準を定めておく、ということを促してまいりました。
しかしながら、各地域の河川の形状ですとか、橋りょうの強度、また、法面の状況、治水・砂防対策の進捗状況など、地域の実情を踏まえて、地域の防災体制を再点検する必要があると思いました。
 そのため、各都道府県に対しまして、避難場所も含めて、県内のすべての市町村の地域防災計画、マニュアルなどの再点検を、年内を目途に行っていただくべく要請をしてほしいということを、昨日、消防庁長官に指示いたしました。

【普通交付税の繰上げ交付】

 平成28年度普通交付税の9月定例交付を本日行います。
 今回の9月定例交付に合わせまして、熊本地震災害によって多大な被害を受けた熊本県及び県内17市町村に対して、11月に交付すべき普通交付税の一部、459億円を繰上げて、本日交付します。
 熊本地震の対応につきましては、これまでも普通交付税の繰上げ交付を実施してきました。また、国庫補助事業の地方負担への地方財政措置や、復興基金の創設を支援するための特別交付税の増額を2次補正予算に計上するなど、復旧・復興に向けた地方財政措置を講じることにしました。
 今後も被災団体の実情を踏まえまして、その財政運営には支障が生じないように適切に対応をしてまいります。
 私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<統計局の移転>

問: 幹事社の朝日新聞の笹川です。幹事社から1問質問をお願いします。平成29年度予算の概算要求に総務省統計局の和歌山への移転関連経費が盛り込まれました。この移転についてどのような効果、大臣として期待されるかということと、この移転が一部機能にとどまるということから、効果は限定的ではないかという指摘もあるようですが、大臣のお考えをお聞かせください。

答: 政府関係機関の地方移転に係る今後の取組につきましては、昨日9月1日に、「まち・ひと・しごと創生本部」において、持ち回り決定をしました。
 統計局・統計センターは、和歌山県に統計データを利活用する業務を行うセンターを置きまして、調査票レベルの情報であります統計ミクロデータの提供などを、平成30年度から開始することにしました。
 これに向けまして、平成29年度には、データサイエンスの普及や人材育成のためのプロジェクトと、統計ミクロデータを提供し利活用できる施設の整備に向けた取組を、実施する予定でございます。
 この移転の効果について、限定的だという否定的な御意見もあるということですけれども、今回の取組によりまして、まず関西圏における統計データの利活用や、データサイエンス人材の育成が進みまして、地域の課題解決や発展を促すということで、地方創生の取組には高い成果をもたらすものだと考えています。
 また、和歌山県におかれましても、センターと連携して統計データの利活用の促進を通じた地方創生に関する取組を、積極的に進めていただきたいと期待をしています。

<平成29年度の地方財政の課題>

問: 日本経済新聞の森川です。概算要求に関連して伺います。地方財政に関連して交付税の仮試算額についてですが、財務省への要求額が7,000億円増える一方で、出口ベース、交付ベースでは7,000億円減るということで、要求額が増えて交付額が減るというのは、総務省にとって厳しい要求内容になるかと思いますけれども、交付税の総額確保に向けて、大臣のお考えを伺えればと思います。

答: 平成29年度の地方交付税の概算要求は、あくまでも現時点における機械的な計算であります「平成29年度地方財政収支の仮試算」に基づくものでございます。いまおっしゃっていただいたとおりの数字で、大変厳しい状況にございます。自民党で御議論いただいた時にも、私から、その厳しい状況については率直に申し上げました。
 特に、これまでは前年度の決算税収の増、そして、当該年度税収の補正予算に伴う交付税の増分を翌年度に繰越金として活用することによりまして、出口ベースの交付税総額の確保と、やはり質を高めたいということで、臨時財政対策債の発行抑制ということを進めてまいりました。
 しかし、平成29年度におきましては、現時点でこのような繰越金は見込めませんし、現行の制度上は必然的に、大幅な出口ベースの交付税の減と、臨時財政対策債の増が生じてしまいます。
 大変厳しい状況ではございますけれども、年末の地方財政対策に向け、何としても必要な地方の一般財政総額をしっかり確保するよう、特に、地方交付税総額が適切に確保されるよう、私としては最大限の努力を重ねてまいります。

<ワンセグ付き携帯電話のNHK受信料>

問: 朝日新聞の上栗です。先日さいたま地裁でNHKの受信料について、ワンセグに対しては受信料が発生しないという判決が出ましたけれども、大臣の受け止めと、今後のNHKの料金徴収に与える影響について、お考えをお聞かせください。

答: この判決に対しまして、NHKは直ちに控訴するというコメントを出しておられますので、総務省としては、訴訟の推移を見守ってまいりたいと思っています。
 これまでは、総務省として、「受信設備を設置」するということの意味を使用できる状態にしておくことと規定した「日本放送協会放送受信規約」を、昭和37年3月30日に認可していますから、従来から、ワンセグ付き携帯など携帯用受信機も、この受信契約締結義務の対象であると考えています。
 いずれにしましても、今後、訴訟の推移はしっかりと見守ってまいります。

<参議院選挙における合区解消>

問: 日経新聞の甲原です。自民党の二階幹事長が、合区解消を検討する党内チームを検討しているというふうに表明されましたが、一票の較差との関係で、選挙所管の大臣として御所感をお願いします。

答: 参議院の選挙制度ですけれども、昨年の通常国会で較差是正のための議員立法が成立しました。これは2合区を含む10増10減ということで、通常選挙がこれに基づいて行われたところであります。
 自民党での検討の報道については、私は承知していますけれども、参議院の選挙制度の在り方につきましては、これは議会政治の根幹に関わる問題ですので、各党各会派でまずは御議論いただくべき問題と考えています。

<NHK放送センターの建替え計画>

問: テレビ朝日です。先日NHKさんの新しい放送センターの1,700億円という金額で、経営委員会で了承されまして、高さ制限、周りの風致地区との調整が、まだ渋谷区とついてない状態なのですが、そういった状況の中で、所管大臣として受け止めをお願いします。

答: NHK放送センターの建替えにつきましては、NHKの平成28年度予算に付した「総務大臣意見」でも、「基本的には、NHKにおいて国民・視聴者の理解を得られるよう、説明を尽くしていただくべきものである」とさせていただいております。
 この建替えに係る毎年度の経費は、放送法第70条の規定に基づきまして、毎年度のNHK予算を国会に提出していただき、御審議いただくということになりますので、NHKにおかれまして、計画の合理性と妥当性について、十分な説明を行っていただきたいと思います。
 総務省の立場で考えますと、NHKの説明の内容に応じて、NHK予算に付する総務大臣意見をまた出させていただくので、その中で指摘を行うということも含めて考えてまいりたいと思っております。

問: ほかによろしいでしょうか。ありがとうございました。

答: どうも、お疲れ様でございました。


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