記者会見

  1. TOP
  2. 記者会見
  3. 総務大臣記者会見 平成26年9月~平成29年8月
  4. 2017年1月17日 マレーシア現地記者会見

2017年1月17日 マレーシア現地記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 皆様、お疲れ様でございます。特に、遠くまで取材に来ていただきありがとうございます。
 昨年11月には、日マレーシア首脳会談が実施され、二国間関係を一層強化することが確認されました。
 また、今年、日本とマレーシアは、外交関係樹立60周年を迎えます。
 今回、総務大臣として、ここマレーシアを訪問させていただき、総務省と通信・マルチメディア省との間の情報通信分野における協力を一層推進する観点から、情報通信分野の協力に関する覚書に署名し、サッレー通信・マルチメディア大臣と会談しました。
 また、「ISETAN The Japan Store」の視察も行いました。
 今回署名した覚書は、総務省とマレーシア通信・マルチメディア省との間で、情報通信分野について、政策や規制に関する情報交換、放送コンテンツ製作やその他関連活動の協力促進、産業連携や技術的協力の促進などを行う内容です。本覚書を踏まえ、防災ICT、サイバーセキュリティ、IoT、モバイル決済システム、放送コンテンツ、5Gなど両国の情報通信分野全体の協力が一層推進され、日本企業の海外展開促進につながることが期待できると思います。
 なお、本覚書については、昨年11月の日マレーシア首脳会談においてナジブ首相が言及されたことを受け、今回、署名の運びとなったものです。

【サッレー通信・マルチメディア大臣との会談について】

 本覚書署名の前に、サッレー通信・マルチメディア大臣と会談を行いました。
 冒頭、緊密な二国間関係を基礎に、両国間の情報通信分野の協力関係を一層強化していくことを確認しました。私から、個別の協力分野について、次のことを提案し、サッレー大臣と合意しました。
 防災ICTについて、現在、総務省がマレーシアで実施中の調査研究や、今後の防災ICTシステムの具体的な提案に向けて、通信・マルチメディア省と連携していくこと。
 サイバーセキュリティについて、世界的に重要な課題となっているため、ASEAN地域における人材育成強化の観点から日マレーシア間で連携していくこと。
 モバイル決済システムについて、マレーシアにおけるサービスの普及に向けて、両国が協力しあっていくこと。
 放送コンテンツについて、総務省が支援する両国放送事業者間の共同製作などを通じた協力を一層強化すること。
 5Gについて、グローバルなシステムであることから、ITUにおける周波数の特定や技術仕様の策定の当たり、国際的な連携や、両国の5G推進団体同士の協力を一層推進していくこと。
 IoTについて、両国における普及・促進のため、人材育成や標準化など国際的な連携を推進していくことでございます。

【ISETAN The Japan Storeの視察】

 次に、日本の優れたものを世界に発信する店舗として昨年10月に開業した「ISETAN The Japan Store」を訪問しました。
 「ISETAN The Japan Store」では、総務省事業の一環で、日本とマレーシアの放送事業者が共同製作した番組と連動した愛媛みかんのプロモーションのほか、日本各地の産品が販売されている現場を視察しました。

【マレーシア訪問の総括】

 総括としまして、今回のマレーシア訪問では、覚書署名とサッレー大臣との会談により、閣僚間で具体的な協力分野の一層の推進を確認でき、両国間の協力関係の強化と、日本企業の海外展開促進の後押しにつながる大きな成果をあげることができました。
 総務省は、今回の覚書を踏まえ、防災ICT、サイバーセキュリティ、モバイル決済システム、放送コンテンツ、5G、IoTなど、様々な分野において、我が国のサービス・技術によりマレーシアの一層の発展に貢献するとともに、日本企業の更なるビジネス展開の支援をしてまいります。
 マレーシアと日本は、伝統的に友好関係にあります。この度のマレーシア訪問が、外交関係樹立60周年という長い歴史を持つ二国間協力関係の更なる強化につながることを期待しています。

【IoTサイバーセキュリティ アクションプログラム2017】

 次に、この場をお借りして、本日は、IoT時代に対応したサイバーセキュリティの確立に向けた2017年の取組「IoTサイバーセキュリティ アク ションプログラム2017」を発表いたします。
 昨今、サイバーセキュリティ上の脅威が悪質化・巧妙化し、その被害が深刻化している状況の中、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据え、IoT機器・サービスの急速な普及が見込まれるIoT時代に対応したサイバーセキュリティ対策を早急に確立することが重要です。
 そのため、関係府省・団体・企業などとの緊密な連携の下、総務省におけるサイバーセキュリティ施策を加速させ、安心・安全な社会を実現するため、この度、「IoTサイバーセキュリティ アクションプログラム2017」を打ち出すものです。
 このプログラムは、第1に、IoT/AI時代を見据えたサイバーセキュリティに係る課題の整理、講ずべき対策の検討及び必要な方策を推進する「サイバーセキュリティタスクフォースの開催」、第2に、脆弱性のあるIoT機器を把握し、その機器の管理者に注意喚起を行うなどの「IoT機器セキュリティ対策の実施」、第3に、国立研究開発法人情報通信研究機構に「ナショナルサイバートレーニングセンター」を組織することを通じた「セキュリティ人材育成のスピードアップ」、第4に、サイバーセキュリティ対応の現場において優れた功績を挙げている個人・団体を顕彰する「総務大臣表彰制度の創設」、第5に、海外向けのサイバー防御演習の提供などの「国際連携の推進」から成っています。
 特に、国際連携の推進については、関係各国との連携体制を強化し、サイバーセキュリティ能力の向上、セキュリティ人材の国際交流に貢献してまいります。
 早速、来週、ここマレーシアで、総務省の実証事業であるサイバー防御演習を行うことにしておりまして、このプログラムは、今回署名をした日マレーシア間の覚書にあるサイバーセキュリティ分野の協力を促進するものでございます。
 総務省としては、「IoTサイバーセキュリティ アクションプログラム2017」に基づく取組を、スピード感を持って実行していくことによって、IoT時代に対応したサイバーセキュリティの確立を目指したいと考えています。
 詳細につきましては、お手元に資料もお配りしていますが、この会見後に情報セキュリティ対策室にお尋ねください。
 私からは、冒頭以上です。


〔質疑応答〕

<情報通信分野の協力に関する覚書への署名の意義等>

問: NHKの大山です。今回の訪問の目的であるサッレー通信・マルチメディア大臣との会談や様々な分野の覚書に署名されまして、改めてこの覚書の意義と、今後、どのように協力を具体化していくのか、お聞かせてください。

答: サッレー大臣にご挨拶をした際、私から申し上げたのは、日本とマレーシアの外交樹立60周年という年でもありますし、これまでも情報通信関係で協力を進めてまいりましたので、今回の訪問や覚書の署名を通じて、互いにWin-Winとなる、また、両国民の生活が安全で豊かなものになるという会談にしたいですね、ということを申し上げました。
 また、日本政府は、これまでインフラの海外展開を推進し、我が国の国際競争力強化に取り組んできました。今後も、政府全体で「質の高いインフラ投資」を推進することとしており、総務省としても、市場が拡大している新興国や途上国を中心に、我が国ICTの特徴・強みを活かした「パッケージ展開」を推進したいと考えています。
 今回署名した覚書を踏まえて、防災ICT、サイバーセキュリティといった情報通信分野において、我が国のサービス・技術によって、マレーシアの一層の発展に貢献するとともに、日本企業の更なるビジネス展開につながることが期待できます。
 そして、今回の覚書に基づく分野における直近の協力として、幾つか想定をしています。
 第1に、防災ICTについては、現在、総務省事業として実施中の調査研究の結果を踏まえて、平成29年度には実証実験を実施する予定でございます。これらの取組により、我が国の経験・知見に基づき開発された総合防災情報システムなどが導入され、マレーシアの災害管理能力の向上に資することが期待されます。
 第2に、サイバーセキュリティについて、来週、総務省の実証事業として、マレーシアにおいて、サイバー防御演習を実施する予定です。皆様ご存じの「CYDER(サイダー)」で、今回、マレーシアの政府職員の方々も参加されます。
 この演習は、タイにおいても、私が平成27年4月に署名した共同声明に基づき、総務省の実証事業として実施しました。その結果、タイ政府関係機関からその有効性が認められまして、日本企業が受注したという経緯がございます。
 このため、今回マレーシアで実施する予定の演習についても、マレーシア政府から高い評価が得られることを期待しています。
 第3に、放送コンテンツについて、総務省は、これまで、両国放送事業者間の共同製作などを通じた事業者間の交流・協力を支援してきました。
 今後とも、こうした取組を通じて、日本経済の活性化、日本の魅力発信といった観点から、放送コンテンツの海外展開を促進してまいりたいと思っております。
 当然、日本への観光客もこれをきっかけに増えるでしょうし、日本の産品をお買い上げいただくという市場開拓にもなると考えています。
 第4に、モバイル決済システムについて、平成25年度及び平成26年度に、マレーシアにおいて実証実験を実施してまいりました。今後は、実証実験の結果を踏まえ、マレーシアにおけるサービスの普及に向けて、官民で連携しながら協議を進めてまいりたいと思います。
 第5に、5Gについて、2020年の実現に向けて、これまでも、マレーシアとの間で、5G推進団体同士の協力を推進してきたところでございます。
 今後とも、こうした取組を通じて、5Gの実現に向けて、マレーシアとの間で連携・協調を一層推進してまいりたいと考えております。
 第6に、IoTについて、ベストプラクティスの共有などの連携を行っていくということでございます。

問: テレビ朝日です。いまおっしゃったことの他に、今後マレーシアに対してどのような取組をお考えでしょうか。

答: 今日の覚書に沿って想定できることは今、全て申し上げました。私が担当しているのは総務省ですので、他省の所管に関わることはなかなか申し上げにくいところですが、やはり、海洋に係る様々なリスクなど領有権の問題に直面されていることと存じますので、様々な分野で日本とマレーシアが情報交換を密にして、協力できることはしっかり協力していくことが、アジア地域の平和に結びついていくと考えています。


前のページへ戻る

  • 自民党
  • 自民党奈良県連
  • リンク集