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2017年2月10日 記者会見

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〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝、官邸は、閣議と閣僚懇のみでございました。

【電波法、電気通信事業法、NHK予算の国会提出の閣議決定】

 本日の閣議におきまして、電波利用料の料額の改定などを行う「電波法及び電気通信事業法の一部を改正する法律案」、放送法第70条第2項の規定に基づく「日本放送協会平成29年度収支予算等及びこれに付する総務大臣意見」の国会提出を閣議決定いたしました。
 今後、成立・承認に向けて全力を尽くしてまいります。

【平成28年に活動した地域おこし協力隊員数等(1)】

 地域おこし協力隊についてお知らせいたします。
 地域おこし協力隊員につきましては、平成28年に3,000人、平成32年に4,000人にするという目標に向けて取り組んでまいりましたが、この度、平成28年に活動してくださった隊員数をまとめましたところ、4,158人となりました。前年から1,415人増加し、平成32年の目標を前倒しで達成しました。
 今後は、地方自治体の取組状況を踏まえまして、5,000人程度まで隊員数が増加することも想定しながら、引き続き、隊員のなり手の掘り起こしにも取り組みますとともに、隊員の皆様の活動が円滑に行われるよう、サポート体制の強化や起業支援などに取り組んでまいりたいと思います。
 また、昨年11月、「地域おこし協力隊全国サミット」に出席しました際に、移住・交流情報ガーデンに開設した「地域おこし協力隊サポートデスク」に、出産、育児など、個人的な御相談も多く寄せられていることをお伺いしました。
 私から対応を指示していたのですが、新たに女性の相談員として、隊員OGを1月25日から2名配置いたしました。
 さらに、サポートデスクへの相談内容なども踏まえまして、育児などに配慮した運用に向けて、制度を改善していく予定でございます。
 詳細につきましては、地域力創造グループにお問い合わせください。
 私からは、以上でございます。


〔質疑応答〕

<平成29年度NHK予算に付する総務大臣意見>

問: それでは、幹事社から1問質問させていただきます。平成29年度のNHK予算に関する総務大臣意見についてお伺いします。今回の意見で、大臣が特に強調したいポイントと、全体についての御所見をお願いします。

答: 平成29年度の予算につきましては、1月17日にNHK会長から提出がありまして、本日総務大臣意見も含めて、国会提出の閣議決定がなされました。
 総務大臣意見としては、全体として「おおむね妥当」と評価させていただいた上で、
・NHKの在り方について、「『業務』・『受信料』・『ガバナンス』の三位一体で改革を進める検討を、NHKにおいても、早急に実施することを求める」
 と指摘するとともに、予算の実施に当たりましては、
・国内放送番組の充実
・国際放送の充実等による総合的な海外情報発信の強化
・4K・8K放送の積極的推進及びインターネット活用業務に関する関係者間連携
・受信料の公平負担に向けた取組
・東日本大震災からの復興への貢献と公共放送の機能の強靱化
 などについて配意すべき旨、指摘しています。
 コンプライアンス徹底の観点からは、NHK職員による受信料着服事案について、1月30日に報告がなされた再発防止策を早急に実施するよう、指摘しています。
 NHK予算につきましては、3年連続で全会一致の国会承認をいただけておりません。平成29年度予算については、全会一致で承認をいただけますよう、NHKにおかれては説明を尽くしていただきたいと存じます。総務省としても、御理解をいただけるよう努めてまいります。

<平成28年に活動した地域おこし協力隊員数等(2)>

問: NHKの山本と申します。大臣、冒頭でおっしゃっていた地域おこし協力隊についてなのですけれども、4,000人突破ということで、かなり協力隊員の規模感が、OBも含めて出てきたと思うのですけれども、協力隊の経験者の方、やっている方々に改めて期待することと、人数が増えてきて、インフラのような形で全国にそういう人たちがいるという形になっていると思うのですけれども、どう活用していくべきか、お考えをお聞かせください。

答: 今回、平成32年の目標4,000人を前倒しで達成したところです。
 現役の隊員の方々の約4割が女性でございます。また、20代、30代の隊員が約7割を占めているということで、若い方々の感性で地域を元気にしていただいていると思います。
 引き続き、隊員のなり手の掘り起こしにも取り組みますが、隊員の活動が円滑に行われるようにサポート体制の強化と、先ほど申し上げました起業支援に取り組んでまいりたいと思います。
 特に、起業支援につきましては、多くの隊員が、定住に際して起業したいと考えておられます。そうした希望を叶えて、任期終了後に地域で起業を実現できるプロセスを、しっかり構築していくことが必要だと思っております。
 総務省では、今年度新たに、ふるさと納税を活用して隊員の起業を応援する仕組みであります「協力隊クラウドファンディング官民連携事業」や、「協力隊ビジネスアワード」を実施していますので、今後も起業・事業化研修の充実・強化などにも取り組んでまいります。

<BPOの意見書に対する見解>

問: 朝日新聞 笹川です。お願いします。BPOの放送倫理検証委員会が、先日、選挙報道を巡る意見書を出しまして、放送法の第4条の番組編集準則について、法規範ではなくて、あくまでも放送事業者の倫理規範であるという見解を示しました。
 政府はこれまで一貫して、この番組編集準則というのは法規範性を有するという解釈を示してこられたと思いますけれども、改めて大臣としてどのように受け止められたか、お願いします。

答: BPOの意見書につきましてということでしたら、BPOは、放送事業者による放送番組の質の向上に関する自律的取組の一環として、NHK、日本民間放送連盟によって設立された機関でございますので、これまで国会答弁でも申し上げてきましたけれども、BPOの意見書の一つ一つについて、私がコメントをすることはいたしません。

問: コメントを控えるということですけれども、意見書の中で、その内容になりますけれども、選挙報道に今、求められることとして、BPOとしては、量的な公平性ではなくて質的公平性だという判断を示しているのですけれども、これについては大臣どのようにお考えでしょうか。

答: あくまでも一般論という形で答えさせてください。
 選挙報道についてですが、公職選挙法第151条の3におきまして、選挙に関する報道・評論について、虚偽の事項を放送し又は事実をゆがめて放送する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害しない限り、放送法の規定に従い放送番組を編集する自由を妨げるものではないと規定されています。
 ここで言う「放送法の規定に従い」という部分は、放送法第4条第1項に定める番組準則が含まれます。放送事業者は、放送番組の編集に当たり、「政治的に公平であること」を確保することが求められています。
 この「政治的に公平であること」の解釈ですが、政府統一見解にありますとおり、放送事業者が、不偏不党の立場から特定の政治的見解に偏ることなく、番組全体としてのバランスを取れたものとすることとしてまいりました。
 放送による選挙に関する報道・評論において、番組全体としてのバランスを確保するためには、例えば、候補者数がとても多くて番組編成上、1つの番組で全ての候補者を取り上げることが困難な場合には、放送日に著しい間隔を設けないことですとか、放送する時間帯に著しい差異を設けないことなどを通じて、番組全体として、できるだけ候補者間の公平性が確保されるようにすることが考えられます。これが選挙の公平性にもつながると思います。
 一方で、私も参考にさせていただいているのですが、ものすごく多く候補者が出馬された場合、多数の候補者のうち一部のいわゆる有力候補者の選挙活動に限って報道を行われる場合があると思いますが、当該有力候補が有力政党の公認候補や社会的知名度の高い人物であり、他の候補者も氏名だけは文字画面で放映するような場合においては、番組編集の自由の範囲内にあるという裁判例もございます。具体的には、東京高裁でこれまでそういった判決をしておられます。
 つきましては、放送による選挙に関する報道・評論については、放送法が放送事業者による自主自律を基本とする枠組みであることを踏まえまして、放送事業者の皆様に自ら判断をしていただき、しっかりと対応していただけたらと考えています。

<安倍首相とトランプ米大統領との首脳会談への期待>

問: フリーランス記者の上出です。総務省と直接関係がない、国政全般のことに関して。日本時間の今日から、アメリカでいよいよ日米首脳会議。これに先立ちまして安倍首相は国会で、トランプ大統領は信頼できる指導者であるということを明言しております。その後、トランプさん、ご存じのとおり入国禁止などで欧州各国、特にメルケルさんあたりから批判されていますが、一応ノーコメントということで、国会では政府の関係者の方は。この、トランプさんは信頼できる指導者ということに関して、高市大臣はどのように考えておられますでしょうか。

答: 私は残念ながら、トランプ大統領にお目にかかったことはございません。ただ、安倍総理が昨年の11月に直接、就任前でいらっしゃいましたトランプさんと会談をされて、その際に、「同盟というのは信頼がなければ機能しません」という旨の発言をされたことは承知しています。
 まもなく、トランプ大統領就任後初めての日米首脳会談が行われるわけでございますが、アジア太平洋地域の安全保障関係が非常に厳しさを増しているという中で、日米同盟が揺るぎないことを示すことは、極めて重要だと考えております。両首脳の間で確固たる個人的な信頼関係も築いていただいて、揺るぎない日米同盟の絆が更に強くなることを期待しています。

<地方自治法の改正案>

問: 自治日報という専門誌の内川です。1点、第31次の地方制度調査会の答申を受けた地方自治法改正案についてお伺いします。
 3月上旬にも地方自治法改正案を国会に提出される予定ですが、そのうち、監査制度について、地制調答申の中では、全国的に監査を支援する共同組織の構築ということも、答申の中で提言されていたかと思うのですが、現在、総務省の方で検討されている地方改正案においては、全国的共同組織については落とされる見通しとなっているというように理解しています。こちらの全国的共同組織を法案から落とす判断に至った理由を、大臣からお伺いできればと思います。

答: 与党内審査を経て、そして、自民党、公明党の政調会長等による与党政策責任者会議が行われ、それを受けて様々な意見を取り込みながら、閣議決定して国会へ提出をするという途中の段階にございますので、個別の案件について、こう決まったという段階ではございません。

<地方交付税の算定方式>

問: もう1点だけ、資本主義経済と民主主義について関連して1点お伺いしたいのですが、資本主義によって一定の格差拡大があって、それの再分配機能、政府が財政なんかによって果たすことが求められていると思うのですけれども、日本の場合においては、国民皆保険の社会保障制度と地方交付税制度が、資本主義経済によって開いた格差を是正する再分配の機能を大いに果たしているかと思うのですが、現在、地方交付税制度と社会保障については、政府の経済財政再生計画において、歳出抑制の2つの柱として様々な改革が行われているかと思います。
 その中で、大臣は諮問会議で孤軍奮闘を、そういった、社会保障や地方財政に対する市場的な、経済的な発想による改革に対して、様々必要な御指摘をされているかと思うのですが、そういった地方交付税制度や社会保障制度において、頑張ったところが報われるとか、そういったような方向での改革が、今、進められているかと思います。
 総務省の方でも地方交付税制度において、例えば、トップランナー方式ですとか、そういった、頑張ったところが報われるような制度というものも、地方団体の要請に応じて一部取り入れてはいるかと思うのですが、これがあまりにも、市場的な改革が行き過ぎると、日本の比較的平和で、安全で安定した社会において、どういった影響があるかという部分もあるかと思います。
 そこで、トップランナー方式とか、市場的な発想、経済的な発想での改革が必要以上に進む可能性があることについて、何か大臣として御懸念のようなものがあるかどうか、お伺いできればと思います。

答: 社会保障につきましても、厚生労働省が実施される様々施策の中で、地方の負担分というものが出てまいりましたら、地方が必要なサービスを提供するのにお困りにならないように、総務省としても地方財政措置などで応援をしています。具体的には、保育所や幼稚園、また介護関係についても、必要な支援をこれからも続けていきたいと思っております。
 ただ、頑張った方が報われることは、必要なことでございます。どんなに頑張っても頑張っても全く報われないのは、努力をするモチベーションが下がってしまいます。これは地方公共団体においても同じでございます。
 地方自治法の精神に基づきまして、総務省が各地方公共団体に、「必ずこれをやりなさい」と命令するような権限を持っているわけではなくて、「このようにしていただけませんでしょうか」という要請をするのが基本でございます。
 そんな中で、トップランナー方式にしましても、行政の効率を上げていただいて、そして、住民の方々にとって必要なサービスを充実していただく観点も含まれているのですね。
 また、トップランナー方式を取り入れたときに、条件不利地域であるため、どんなに頑張ろうと思っても、それが不可能な地理的な状況にあるところについては、十分な配慮をさせていただいております。
 とにかく、私たちは日本全国どこに住んでも、国民の皆様が必要な行政サービスを受けられる、そのための対応と、そして、全国各地で少しでも行政を効率化して、住民サービスを向上させていく、そのための取組と、両方にらみながらやらせていただいています。

<ふるさと納税の返礼品の取扱い>

問: フジテレビの芝原と申します。お願いします。ふるさと納税に関連してのお伺いです。千葉県勝浦市で商品券を返礼品としているのですが、これが、ネットでの転売が横行しています。これはふるさと納税の本来の趣旨から反すると思うのですけれども、大臣のお考えをお願いいたします。

答: 率直に申し上げて、大変残念なことだと思っております。総務省としては、平成28年の4月に通知を発出して、商品券など金銭類似性の高いものをふるさと納税の返礼品として送付しないよう、地方団体に要請をしています。
 千葉県勝浦市の例でございますが、これは価格表示がなされている商品券でございますから、ふるさと納税制度の趣旨にはそぐわないものであります。更に、それがインターネット上で転売されているということには、大変な問題があると思っております。これまで国会でも、一時所得となる税法上の問題も指摘をしてまいりましたし、特に今回の場合は問題が大きいと思っております。
 勝浦市に対しましては、千葉県の御協力を得ながら、見直しの働きかけを行いまして、改善を強く促してまいりたいと思っております。

<“地域の暮らしサポート”実証事業>

問: 通信文化新報の園田です。地域おこし協力隊の御質問に関連することなのですけれども、総務省は新規で「“地域の暮らしサポート”実証事業」、これについて予算を付けていらっしゃいますけれども、それに対する御所見と、協力隊との関係とかというのを。

答: (事務方)今年、「”地域の暮らしサポート“実証事業」ですね、チャレンジふるさとワークという、ヒトと情報の大きな流れを地域の方に大きく生み出していこう、という新規施策の中の1つとして創設したものでございます。
 地域おこし協力隊の方々との関係というのは、今の段階で個別に想定をしているわけではないのですが、ただ、「”地域の暮らしサポート“実証事業」というのは、例えば、見守りでありますとか、あるいは防犯でありますとか、そういった、地域のニーズに応じた事業というのを、地域でどういうふうに解決していくかというような観点から行うものでございますので、そういった観点からすると、当然そういった方々、プレイヤーが関わってこられるということは想定されるとは思います。
 いずれにしましても、来年度からの事業でございますので、地域力創造グループが担当になりますので、こちらの方にお問い合わせいただければと思います。

答: 協力隊に特化したものというよりは、地域社会で様々なお困りごとがあると思うのですね。特に、高齢化が進んでいますから、高齢者の方々に買い物支援なども含めて支援をしていく、様々な地域社会のネットワークを活用していく事業でございます。
 必ずしも地域おこし協力隊だけで完結する話ではございません。もちろん隊員の御参加は、それぞれの市町村の御判断でしていただけると思いますけれども、詳しくはまた、後ほど事務方から資料をお渡しいたします。

問: それでは、よろしいでしょうか。大臣、ありがとうございました。

答: ありがとうございました。


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