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2017年3月17日 記者会見

更新日:

〔冒頭発言〕

 皆様、おはようございます。
 今朝、官邸は、閣議と閣僚懇のみでございました。

【平成28年度の特別交付税及び震災復興特別交付税の3月交付について】

 本日、平成28年度の特別交付税及び震災復興特別交付税の3月交付額を決定し、その内容について閣議に報告いたしました。
 特別交付税の3月交付額は6,957億円で、今年度の交付総額は1兆530億円でございます。
 今年度の特別交付税は、「熊本地震」や「台風第10号」等の災害をはじめ、除排雪や、地域における医療や交通の確保のための財政需要のほか、普通交付税の算定では捕捉しがたい特別な財政需要を算定しました。
 震災復興特別交付税の3月交付額は1,823億円で、今年度の交付総額は4,877億円でございます。引き続き、被災団体が東日本大震災からの復旧・復興事業を円滑に進めることができるよう、適切に対応してまいります。

【マイナンバーカード利活用推進ロードマップ等】

 この度、「マイナンバーカード」の利便性を高める取組を分かりやすく発信するために、新たに「マイナンバーカード利活用推進ロードマップ」を策定いたしました。
 この「ロードマップ」は、
・カード利活用の内容を具体化し、
・検討スケジュールや実施時期が明確となるよう、
・各府省連携のもと、
「全体を俯瞰する形」で作成しています。
 具体的には、カードの利用範囲を拡大するため、
・土日や時間外でも証明書が取得可能な「コンビニ交付」の利用促進
・チケット、健康保険証としての利用やインターネットバンキングへのログインなど、「公的個人認証サービス」の民間開放に伴う新たな民間サービスの実現
・「子育てワンストップサービス」の導入など、「マイナポータル」の利便性向上
・スマートフォンやテレビなど、カードが利用できるアクセス手段の多様化
などに取り組むこととしております。
 また、これら民間も含めた取組を一層推進するため、「ロードマップ」の公表と併せ、新たに「各市町村のカード交付枚数」などについても公表することとしました。
 今後、この「ロードマップ」につきましては、適切な進捗管理を行い、マイナンバーカードが官民問わず利活用できる場面を、関係者一体となって作り出してまいりたいと思います。
 さらに、今回の「ロードマップ」作成に際しまして、「情報連携」や「マイナポータル」の本格運用のスケジュールについても、私自身が「利用者目線」にこだわりまして、住民の皆様にとって、より使い勝手がよくなるよう、改めて整理しました。
 「マイナポータル」については、本年1月からアカウント開設が可能となっています。しかしながら、「設定に時間がかかる」などの御指摘があることも承知いたしております。
 また、「子育てワンストップ」を子育て世代の方々に広く使っていただくためには、スマートフォンでの利用を可能とすることが「鍵」となります。
 本年中に開始予定である「情報連携」につきましても、「情報連携」そのものは、予定どおり今年の夏から始まりますが、窓口の最前線で実務に携わっていただく自治体職員の事務の習熟等のための期間も必要だと思いますので、「マイナポータル」と「情報連携」につきましては、本年7月から3か月程度、試行的に運用する期間を設けることといたしました。
 特に、スマートフォンでも「マイナポータル」の利用が可能となり、パソコンでのアカウント開設が容易となるよう、専用アプリを開発するなどの改善を行った上で、秋頃に両者の本格運用を開始させていただきます。
 当初のスケジュールから再調整を行いましたが、マイナポータルや情報連携における国民の皆様のメリットを十分に感じていただけるように、関係省庁一丸となって取り組んでいきたいと思います。
 昨年8月3日の内閣改造で、マイナンバー制度を一元的に担当する内閣府特命担当大臣を兼務するようになりました。そこで、関係省庁の連携の深化が必要だと、かねてより考えてまいりました。
 特に、内閣官房のマイナンバー担当部局と総務省との緊密な連携が必要でございます。現在は、物理的に両者の庁舎が離れていることから、これを1か所に集約して業務を行う方向で作業を進めています。
 詳細につきましては、内閣官房番号制度推進室にお問い合わせをいただけたらと存じます。
 私からは、冒頭、以上でございます。


〔質疑応答〕

<マイナポータル運用開始時期の延期による利便性向上>

問: 幹事社の時事通信、増渕から1問質問いたします。冒頭発言がありましたマイナンバーに関連して質問します。御発言にありましたとおり、マイナポータルの本格運用の時期が当初予定していた7月から秋頃に、後ろにずれるということです。大臣がおっしゃったように、国民のメリットを十分に感じるように取り組みたいとおっしゃったと思うのですけれども、具体的にどのように今後作っていくのか、その辺についてお聞かせください。

答: 「マイナポータル」の本格運用ですが、私は、マイナポータルに一番大きな期待が集まっていると思っています。
 私自身がユーザー目線に立ってみて、ユーザーの方々に最も利便性の高い形でサービスを提供できる時期を再検討してみました。
 まず、「アカウントの開設に時間がかかる」という御指摘があったことは、様々な読み物などで私も承知しておりましたので、アカウントの開設時間をできるだけ短くしたいと考えました。
 具体的には、操作マニュアルを読まずとも、直感的に理解できる説明画面を用意する「取説不要」の取組と、パソコン向けのログインアプリによって「3分以内」で作業完了できるようにするなどの改善を指示いたしました。
 更に、子育て世代の方々、とても御多用である世代ですが、自宅でパソコンを起動して設定するよりは、スマホで御利用いただくのが利便性が高いと思いましたので、スマホ専用画面で利用できるアプリのリリースの時期を、当初の予定より前倒しをするように指示しました。
 当初、平成30年3月末頃からだったらスマホで使えるのかな、ということでしたが、それを今年の秋頃に前倒しさせていただきました。
 その場合、秋頃から「マイナポータル」をスマホで利用できることを知らないまま、夏にパソコン用のカードリーダーを御購入いただいてしまうといったことで、余分な支出をする方が出ないよう、混乱を避けるために、パソコンとスマホの本格運用開始時期を揃えた方がいいと判断しました。
 これによりまして、「保育所の入所申請」や「児童手当の現況届」など、各子育て関連手続きにおきまして、マイナポータルの利便性を、手軽に実感していただけると考えています。

<マイナンバー「情報連携」の運用時期延期の目的>

問: 朝日新聞の上栗です。2点お願いします。今のマイナンバーのところなのですけれども、交付の時にシステムトラブルで大きな混乱があったわけですけれども、今回、大臣、習熟期間を十分にというお話があったのですけれども、念頭には、交付の時に非常に窓口が混乱したということを念頭に、今回は混乱を避けるという狙いがあるということでよろしいのでしょうかというのが1点目です。

答: 「マイナポータル」におきましては、アカウントの開設時間の短縮化、「3分以内」ということ、そして、スマホ専門画面で利用できるアプリのリリース時期の前倒しまで考えると、秋頃にスマホ利用とパソコン利用を同時に行った方がいいことが一番の理由でございます。
 情報連携とマイナポータルは、当然密接に関係しておりますので、マイナポータルと同様に、秋頃の本格運用にしたものでございます。
 ただし、情報連携は、利用者側から見ると本格運用が秋というだけで、行政事務としては7月から利用します。つまり、7月から試行期間になりますが、基本的には、申請される方々におかれては、従来と同様の書類提出をいただかなければなりませんが、自治体の窓口職員の方は、情報提供ネットワークシステムによる処理を並行して実施していただきます。
 ですから、副次的な効果になってしまいますけれども、窓口運用やシステム処理の確認などをしっかりと行っていただくことで、円滑な本格運用に向けた準備が整うものだと思っております。

<CeBITへの期待>

問: もう1点、20日に世界最大の通信見本市でありますCeBIT(セビット)がドイツで開幕します。大臣はいらっしゃらないということなのですけれども、安倍首相始め、あるいは民間企業もたくさん参加されますけれども、担当大臣として期待されていることをお聞かせください。

答: 昨年5月、安倍首相とメルケル首相との首脳会談の時に、今年のCeBITについて、日本にパートナー国になってほしいとのご依頼がございました。
 パートナー国として、ICT分野において先進的な取組を進めておられるドイツと連携ができること、そして、今回118社もの日本企業が参加されることを、大変嬉しく思っています。
 このCeBITを契機に、日本の技術力のアピールですとか、日欧のIoT推進団体間の連携強化などを通じて、IoT分野を中心にドイツとの官民双方での協力関係、これが強化されるとともに、日本企業の海外展開が促進されることを期待しています。ちなみに、大臣メッセージは送りました。

<森友学園籠池氏の発言及び証人喚問>

問: 朝日新聞の福田と申します。森友学園に件なのですけれども、昨日、籠池氏が安倍首相から夫人を通して100万円をもらったと語っていることに対しての受け止めと、23日に予定されている証人喚問について、期待されていることがありましたらお願いします。

答: 昨日の籠池理事長の御発言については、私も報道で拝聴しましたけれども、昨日の官房長官会見で「総理に確認したところ、総理は自分では寄付はしていない、昭恵夫人、事務所等、第三者を通じても寄付していない」と、全面的に否定されたと承知しています。
 国会の証人喚問につきましては、証人喚問は証言を拒否することもできませんし、偽証することもできませんので、これによって真実が明らかになることを期待いたしております。

<森友学園問題が政権運営に与える影響>

問: 関連しまして、共同通信の佐伯と申します。今の森友学園の問題が、ここのところずっと続いているわけですけれども、世論調査でも7割以上の国民が、有権者の方が、事実を明らかにしてほしいというふうにお話になっているということですけれども、この問題が政権運営に与える影響についてはどのようにお考えでしょうか。

答: 私の立場で申し上げますと、衆議院、参議院、両総務委員会の先生方の御理解を得て、順調に法案審議を進めていただいております。
 今回、森友学園のことについては、証人喚問が決まったと承知していますので、そこで早く真実が明らかになって、様々な課題がございますので、多くの国政の課題について議論が進む環境が整うことを期待しています。

<消防庁とタイアップする戦隊ヒーローへの期待>

問: テレビ朝日の小野です。この後、詳しくあるかと思いますが、今日、消防庁とタイアップした特撮映画のヒーローが、大臣、表敬訪問するということなのですが、期待することなどありましたらお願いします。

答: 子どもさんたちに、防災ということ、そして、消防に携わる方々の活躍ということに、しっかりと興味を持っていただき、また、火の用心にも気をつけていただき、子どもさんたちへの啓発活動の大きなきっかけになることを期待しています。
 とても人気のキャラクターであるとのことでございます。私が子どもの頃の仮面ライダーとは、ずいぶん感じが変わっているのですけれども、お訪ねいただけること、大変楽しみにしておりますし、しっかり激励をさせていただきます。

<マイナンバーカード交付枚数率に対する評価>

問: 産経新聞の高橋です。マイナンバーに戻るのですけども、今回、人口に対する交付枚数の割合というのが出まして、全国で8.4%とありますけれども、普及率の受け止めと、今後どのように上げていくかというのをお願いします。

答: マイナンバーカードにつきましては、3月8日の時点で約1,321万件のご申請をいただき、約1,072万枚が交付されています。交付枚数率は8.4%ですから、まだまだ普及枚数としては不十分だと考えています。
 更なる普及と利活用を図っていくために、国民の皆様に便利さを実感していただくことが必要です。
 そのために、先ほど申し上げました「マイナンバーカード利活用推進ロードマップ」を策定して、本日公表させていただきました。しっかりとフォローアップしていく、PDCAを回していくことによって、カードの利便性向上策を確実に進めていきたいと思っております。
 加えて、本日、市区町村別のマイナンバーカードの交付枚数率を公表させていただきました。
 市のトップである都城市の率は17.1%となっています。都城市ではタブレットを利用して無料でカードの顔写真を撮影するサービスや、オンラインでの申請を補助するといった形で、カードの申請促進に積極的に取り組んでいただいています。
 総務省としては、このように頑張っておられる自治体のノウハウの横展開を図ることも大事だと思っておりますので、市区町村と一体となってカードの申請促進に取り組んでまいります。

問: まだまだ低いということなのですけども、この要因というか、どう見ていらっしゃいますか。

答: 1つは、たくさん申請していただいて、各市区町村役場の窓口でなかなか住民の方々にお届けできない形で積み上がった時期がございました。これを解消するために、皆様も御承知のとおり、総務省の方でカードを円滑に住民の皆様に交付するためのマニュアルも作り、様々御支援をさせていただきました。その成果もあり、各市区町村で順調にカードの交付が進みました。
 ただ、大々的にテレビや新聞など皆様方の媒体でCMを打つとか広告を出すといった広報をしますと、また積み上がりができてしまいますので、その状態が解消するまで広報を控えていたこともあるかと思います。
 それから、まだまだマイナンバーカードの利便性について、何に使えるのかといった周知が十分ではないと思っております。これは率直に、広報を控えていた事情もございますが、今回しっかりと、政府として国民の皆様全体に責任を持てるロードマップを作らせていただきましたので、この機に、何月からこういうことに使えますよ、何月からこういうことができますよということを御理解いただくための広報を、しっかりと展開してまいりたいと思います。

<米国国務省人権報告書の指摘に対する見解>

問: フリーランス記者の上出です。きょうはちょっと、いつもマイナンバーのことですが、今日は別のことを質問します。3月10日にですね、官邸でやったので出れなかったのですが、新聞社の記者の方から、3日の日にアメリカの国務省が公表した人権報告書のことで、高市大臣の発言が載っていると。その中で、理由として、最後の方で言っておられるんですけど、「行政の継続性」、民主党の政権時代から法的規範ということを言ってるんですけども、このことについてちょっと質問します。
 確かに副大臣が発言をされたようなんですけども、民主党の方の説明では、決してそれ以上踏み込んでいろんなことをやってはいないということで、一方で、高市大臣の場合は、電波停止ということがでたり、あと、実際に行政指導をこの間、選挙中の当選確実情報が、当選報道が間違えていることがあるというようなことで、気をつけるようにという、行政指導をするとかやっております。実際には民主党の時はそういう行政指導はございません。ということで、行政の継続性、つまり、集団的自衛権なんかは前政権と違うことをやったわけです。あまり行政の継続性というのは当たらないんじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。

答: 私が電波を停止すると言ったことは一度もございません。昨年2月の私の国会答弁を、もう一度議事録を確認していただいたら明らかでございます。
 放送法第4条と電波法第76条及び放送法第174条との関係について、当時の民主党議員から何度も御質問がございましたので、行政の継続性の観点から、民主党政権時代と同じ法解釈を何度も答弁せざるを得なかったものでございます。
 アメリカ国務省が取りまとめた報告書でございますが、これも「高市早苗総務大臣が、具体的にそのような措置を執る計画・意図はないとしつつも、政治的に偏っていると判断した放送事業者を政府が停波させる権限について、何度も発言を行った」という記述でございますが、何度も同じ質問を受けたので、何度も同じ法解釈を申し上げました。
 すなわち、平成22年11月26日に、当時の放送法改正の審議の中で民主党の副大臣が答弁されたとおり、放送法第4条が法規範性を有しており、同条に違反した場合の行政処分については、「法律の規定に違反した放送が行われたことが明らかであること」に加え、「その放送が公益を害し、放送法の目的にも反し、これを将来に向けて阻止することが必要」であり、かつ同一の事業者が同様の事態を繰り返し、かつ、事態発生の原因から再発防止の措置が十分でなく、放送事業者の自主規制に期待するのでは、法律を遵守した放送が確保されないと認められる」などの、極めて限定的な状況にのみ、慎重な配慮のもと運用すべきとされていることについて、私自身も昨年2月の予算委員会や総務委員会で繰り返し答弁しています。もちろん放送法第4条の法規範性につきましても、これも民主党政権の時から同じ答弁でございます。
 以上を踏まえて、私は民主党政権時代と放送法の解釈は変わらないと、行政の継続性について発言をさせていただきました。
 おそらく行政指導についてのことだと思いますが、行政指導といったら様々な段階で、局長名だったり、課長名だったりいろいろなものがございますが、私自身が力を入れて行った行政指導の1つに、平成27年4月のNHKの「クローズアップ現代」に関する行政指導がございます。
 これは、NHKが、総務省所管の特殊法人であるとともに、受信料で成り立つ公共放送であり、当該番組で取り上げられたブローカーの活動拠点でなかった部屋を活動拠点であると伝えたことが放送法第4条第1項第3号に抵触していることをNHK自身が認められたことなどから、放送を所管する総務大臣としての責務を果たすために、必要な対応を行いました。
 更に、同年4月28日にNHKの最終の調査報告書が公表され、私自身その日に隅から隅まで読みました。その直後、ゴールデンウィークに入ってしまいますので、公表され次第、全てを読ませていただきましたが、「具体的な再発防止体制を、いつ、具体的にどのようにするのか」という記述が抜け落ちておりましたので、一刻も早く具体的な再発防止体制を作っていただきたいという強い思いから、早急に行政指導文書を作成したものでございます。
 この行政指導は、あくまで総務省設置法第4条を根拠として、相手方の自主的な協力を前提として行ったものでございますので、メディアへの圧力とされるような事例には当たらないと考えております。

<マイナンバー制度の計画変更等について>

問: 共同通信の藤本と申します。マイナンバー制度につきましてはこれまでも、計画の変更ですとかトラブルが相次いできた経緯がありますけれども、今回スケジュールを修正したということで、そのへんはどう受け止めていらっしゃいますか。

答: マイナンバー制度に対して計画の変更ですか。それは今回が初めてだと私は思うのですが、どうですか。

答: (事務方):よろしいですか。1月というのは、日本年金機構の利用開始が、国の機関の開始が1月だったので、1月からマイナポータルの情報連携記録開示機能がスタートすることがあったので、それは1月だったのですが、これは年金機構自体が今回の法改正で利用期間を延期することになっておりますので、当初予定していたのが、次は地方公共団体が情報連携が始まる段階でして、それが7月でございます。それは、年金機構による事情になります。

問: その話は分かりましたが、トラブルがあったという経緯もありまして、今回の後倒しと言いますか、スケジュールの変更については、国民の方々にはどのように説明されるのかなと思いまして、よろしくお願いします。

答: 今回のスケジュールの変更は、私自身が、自分が使うとしたら、マイナンバーカードを利用するとしたら、最も使うのはマイナポータルだろうなということを、まず考えました。
 皆さんも御承知の通り、これらのサービスが始まりますと、行政に自分の情報がどう使われたかもチェックできますし、特に子育て世代の方々にとっては、保育所などの検索もできますし、入所のための手続きなどもマイナポータルで行っていただけることになります。大変便利なものでございます。
 さきほども申し上げましたが、パソコンを使ってやるとなると、カードリーダーをご購入いただかなければなりません。それでもいいよとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、1回カードリーダーを買ってしまって、秋にはスマホで使えますということになると、大変がっかりされる方も多いだろうなということを、まず考えました。
 ですから、混乱が生じないように、それであれば秋からパソコンでもスマホでも使えますと、しかも、パソコンでの設定がかなり難しいとの御意見があることも、私自身いろいろ読み物を勉強して理解しておりましたので、それだったら、「取説不要」で「3分以内」に設定できるようにした方がいいだろうとのことで、あくまでも「利用者目線」での判断でございます。
 情報連携そのものは今年の夏から行政の方では利用できますけれども、あくまでも利用者の方から見たマイナポータルの本格利用、そして、情報連携については、スマホで使える、しかも、とても簡単に設定できるようになる秋頃がいいと判断しました。
 スマホでの活用も、元々は来年の3月ぐらいを想定していましたけれども、保育所の入園の手続きですとか、そういったことが秋の時期から大事になってまいりますので、これも前倒しをして、今年から使っていただけるようにしたいなと考えました。

<「過疎法改正案」に伴う必要な施策>

問: 通信文化新報の園田です。議員立法で過疎法の改正案が議論されていますが、過疎地の住民の暮らしを守るために、総務省としてどのような施策が必要と考えていらっしゃいますでしょうか。郵便局にはどのような役割を期待されていますでしょうか。

答: 過疎法でございますが、衆議院で御可決をいただきました。その上で、まだこれから参議院で御審議をいただくことになりますが、これは委員長提案でございます。
 今は、人口減少や高齢化が著しく進んでいる過疎地域では、私の地元にもございますけれども、集落機能の維持が困難になってきています。これは、場合によっては住民の安全・安心に関わる問題の深刻であると思っています。
 総務省としてできることでございますが、これまでも、複数の集落を連携する「集落ネットワーク圏」の形成を進めております。
 それから、平成29年度の予算案として、新たに「“地域の暮らしサポート”実証事業」を計上させていただいております。これも予算が成立してからのことでございますけれども、これが認められますと、買い物支援などの暮らしを支える仕組みを構築する実証事業を展開させていただく予定になっています。
 日本郵便は、これまでも、郵便局を活用して地域住民の利便性の増進に資する業務を行うことで、特に配達の際に御高齢の方々への励ましの声掛けなど、「ひまわりサービス」を実施していただいておりましたけれども、これまでの地域貢献の成果と実績を活かしていただいて、日本郵便が「“地域の暮らしサポート”実証事業」の担い手となっていただけるようなことも、大いに期待をいたしております。

<ふるさと納税返礼品問題に対する検討状況>

問: NHKの山本と申します。ふるさと納税についてお聞きします。一部報道で総務省が自治体が送る返礼品の調達額について、上限を設けることを、意向を固めたという情報がありますけれども、現在の検討状況と大臣自身のお考えをお聞かせください。

答: 返礼品送付につきましては、「ふるさと納税」制度という税制上の措置とは別に、地方団体の独自の取組として行っておられるものでございます。
 しかしながら、地方団体間の競争が過熱したり、また、一部の地方団体において制度の趣旨に反するような返礼品が送付されていることは問題だと認識をしています。
 現在、総務省で有識者の方や地方団体から御意見をいただきながら、返礼品送付に係るあらゆる課題を洗い出して、そして、改善策を検討している最中でございます。
 今国会でも、例えば寄付額に対する返礼品価格の割合などについて指摘をされておりますけれども、現時点では改善策の内容について、まだ申し上げる段階にはございません。
 しっかり精査し、私も中間的な報告を受けながら、私自身の思いも林﨑局長にも伝えているところでございます。
 4月に向けて速やかに検討を進めてまいります。

問: では、これにて終了します。ありがとうございました。

答: どうもすみません。お疲れ様でございました。


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