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  3. 内閣府特命担当大臣記者会見 平成18年9月~平成19年8月
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9:20~9:37 於:院内内閣記者会

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1.発言要旨

 本日の閣議案件は、一般案件が3件、国会提出案件が9件、法律の公布が1件、政令が1件、配布が4件あり、私どもの主請議として、「平成17年度少子化の状況及び少子化への対処施策の概況」、いわゆる少子化社会白書を閣議決定いたしました。
 少子化社会白書は、少子化社会対策基本法に基づき毎年国会に提出することとされており、今回が3回目の報告になります。今回の白書では、本年6月に「新しい少子化対策について」が決定されたことを踏まえ、「新しい少子化対策の推進」をテーマにしております。第1部では、我が国の最近の少子化の現状や新しい少子化対策決定の経緯、対策の3つの柱である「子どもの成長に応じた子育て支援策」、「働き方の改革」、「社会全体の意識改革」に関する現行施策の状況と今後の方向、海外における少子化の動向について解説をしております。また、第2部では平成17年度に各省庁が講じた個別の施策について説明をしています。私からは、少子化対策を国の基本に関わる最重要政策課題とする一致した認識の下、出生率の低下傾向の反転に向け関係閣僚に対して引き続き少子化対策の推進にご尽力をいただくよう閣議でお願い申し上げました。
 また、私から、12月3日からの「障害者週間」の実施について、各閣僚に対して障害の有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合う「共生社会」を実現していくための一層のご協力をお願いする旨の発言をしました。内閣府は、障害者週間の期間中、各省庁、地方公共団体及び民間団体と連携して、東京、大阪を中心に多彩な啓発行事を実施しております。この機会に1人でも多くの方々に障害者のことを知り、考えていただくことができればと考えております。どうか報道の皆様におかれましても、「障害者週間」の趣旨が広く国民の皆様に周知徹底されるように、積極的な御協力をお願い申し上げます。
 次に、先週の会見でお伝えしましたが、本日までの1週間は、犯罪被害者等が置かれている状況等について国民の理解を深めることを目的とした「犯罪被害者週間」です。内閣府では、本週間にあわせて、国民が犯罪等による被害について考える機会として、「国民のつどい」を開催しております。27日は東京で内閣府主催の中央大会、25日には秋田県、29日には神奈川県と、各県との共催による地方大会を成功裏に終えたところです。本当に残念でしたが、中央大会は、国会出席のため私は参加できず、谷本政務官が挨拶をして下さり、長勢法務大臣も参加されたと聞いております。本日は、週間の締め括りであり、幸い本日は国会出席がないため、大阪府との共催による地方大会に犯罪被害者等施策の担当大臣として、この会見後に私も行ってまいります。12月1日は、犯罪被害者等基本法の成立日でもあり、大阪大会において、犯罪被害者の皆様の置かれている状況や、そのための施策がどれほど重要かについて、広く国民の皆様に対してメッセージを発信したいと思います。
 次に、今後の予定ですが、身近な場における安全・安心について、インターネットシンポジウムを開催いたします。最近、ガス湯沸し器やシュレッダーなどによる事故が相次ぎ、国民の安全・安心への関心が非常に高くなっております。安倍総理から指示を受け、内閣府において、先月、国民生活審議会総合企画部会に「国民の生活における安全・安心の確保策に関する検討委員会」を設置し、第1回会合を12月5日に開催することといたしました。今回、この問題を幅広くご議論いただく場として、12月2日土曜日から16日土曜日まで、身近な場における安全・安心をテーマに、インターネット上でシンポジウムを開催いたします。私は、IT政策担当大臣でもありますが、インターネット上でシンポジウムを開催するのは、おそらく政府初の試みです。選ばれたパネリストの方々に幅広くご議論いただき、議論の内容を皆様に知っていただければと思います。会議場で開催する啓発行事の場合、その日の都合がつかなければそれまでですが、インターネットですので、日本全国どこに住んでいらっしゃる方でも、海外からでも参加いただけるため、時間や開催場所の制約を受けずに参加していただけるメリットがございます。インターネットに接続できる環境にいらっしゃる方が、いつでも、どこからでもサイトを見ていただき、実際に生活してここが大変、不安など、感じた問題点を投稿していただくことにしております。インターネットシンポジウムの議論については、国民生活審議会の参考資料として報告をさせていただきます。本日、10時からインターネットシンポジウムのサイトは開設をいたします。
 次に、10月下旬からスタートした内閣府のホームページにおける少子化の意見募集ですが、11月末で1回目を締め切りました。11月の皆様への問いかけは、運用面からみた出産育児一時金など出産時の経済的負担についてと、不妊治療についての2つのテーマについて意見募集を行いました。二千件を超える大変貴重な御意見をいただきました。現在、その結果を整理しており、来週金曜日の記者会見で多分大丈夫だと思いますが、公表させていただきたいと思います。項目別にご意見を整理しておりますが、私自身、それから副大臣、政務官も目を通して、具体的に今後の運用改善策の検討に入りたいと思っております。12月のテーマですが、12月は「保育所の利用」と「企業における子育て支援制度」の2つのテーマについて、本日から意見募集を開始したいと思います。保育所の利用については、「待機児童ゼロ作戦」のほか、本年10月から認定こども園も実施されます。認定こども園についても、新聞紙上などで様々なご意見が出ておりますが、実際の現場からのご意見がいただければと思います。また、企業における子育て支援制度については、助成金支給などで両立支援に積極的に取り組む事業主の支援や、職場の意識改革を促す国民運動などで実際に予算計上しているものもありますが、私の個人的なホームページにも働く女性から様々なご意見が来ておりますので、制度の使い易さなども含めて、ぜひ現場や事業主の皆様からの声をお寄せいただけたら大変ありがたいと思います。
 次に、12月2日土曜日の午前10時から北方領土教育に関する教育関係者と私との意見交換会を大臣室において開催いたします。北方領土の返還交渉そのものは麻生外務大臣のお仕事ですが、北方担当大臣としての私の仕事は、国民世論の啓発です。北方領土だけでなく、竹島の問題でも、領土や資源獲得競争など様々な報道を私自身も見てまいりましたが、日本政府が交渉する時に、国民世論の後押しがないと交渉は難しいものであると、大臣になる前から思っておりました。内閣府では、北方領土に関して、国民意識の啓発ということで様々な予算がついて実施されておりますが、学校の先生方の研修は大変すばらしい事業だと思っております。例えば私の地元など、北方領土から遠い地域でも国民運動としてグループはありますが、北方領土から遠い地域の教育現場で子どもたちに教える場合には、先生方や保護者、お子さんに興味を持っていただきにくいなど様々な問題があると思います。少子化対策と同じ考え方ですが、研修を受けた先生が学校の教育現場でどのように活かしていらっしゃるのか、内閣府で用意している施策の効果が実際にどの程度発揮されているのか、改善すべき点がないか、もっと効果的な啓発の方法がないかなどについて直接伺いたく、企画いたしました。国民世論の啓発には、学校教育が大切なポイントだと思いますので、非常に遠いところから来ていただく先生もおいでですが明日の10時から大臣室で開催いたします。
 次に12月3日の日曜日に、埼玉県北足立郡伊奈町の小室小学校を訪問し、食育に関する公開授業に参加させていただく予定です。この小室小学校の取組ですが、文部科学省からの委嘱に基づき、小室小学校、伊奈中学校、伊奈町立学校給食センターを中心として地域や家族と連携しながら食育を推進している非常に先進的な事例だと思います。全国各地で食育施策がスタートしてもうまく学校現場で食育の授業が進まない理由として、行政の方や学校の先生にお話を伺ったところ、いい教材がないとか、教え方がよくわからないとのお話を聞いたことがあります。栄養教諭の配置が進まない自治体もありますが、小室小学校は栄養教諭ではない先生が教えていらっしゃる例です。必ずしも栄養教諭の先生でなくても、あらゆる教科担当の先生が食育、健康な食生活、食への関心への思いをどこかに活かしている事例を公表する取組ができないかと考えました。全国の様々な先進事例の書類を自分で手に入れられる限り拝見して、小室小学校に伺ってみたいと思っております。本年3月の食育推進基本計画の決定に基づき、食育は、御家庭、学校、地域を中心に国民的広がりを持つ運動を展開するとしています。今回の参観を是非とも施策に役立てたいと思っております。国民啓発により将来の医療費を減らしていくなど様々な意味で大切な運動ですので、積極的に取材いただき、ご覧になった他の学校の先生が先進事例を研究して取り組むきっかけをつくりたいと思います。
 私の方からは以上でございます。


2.質疑応答

(問)少子化社会白書は自治体や企業と連携して働き方の意識改革に重点を置いて取り組むと書いてありますが、具体的にどのような政策をお考えですか。

(答)ワークライフバランスの必要性は、政府の中で共通した認識になってきていると思います。これは少子化対策だけではなくて、男女共同参画でも家庭と仕事の両立の観点から非常に強い問題意識が出てきていると思います。厚生労働省における労働法制見直しも含め、事業主との意見交換なども考えながら、具体的な施策をとっていくことになると思います。私は応援団といいますか、様々な問題点を洗い出しながら、ワークライフバランスについて、国民全体の意識が高まっていくよう努力したいと思います。

(以上)

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