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総務省事務次官から頂いた「送る言葉」

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 昨日までの2年11箇月間、総務大臣としての職務を全うすることが出来て、支えて下さった多くの方々への感謝の気持ちで一杯です。

 

 総務省では、今日、私の退任式を挙行して下さる予定でしたが、今は台風5号の警戒や九州北部豪雨災害の復旧、先日来の大雨などへの対応で、消防・情報通信・放送など多くの部局で職員の皆さんが夜間も交替で働き続けている時期ですので、退任式や見送りなど、職員に負担のかかる行事は辞退させていただきました。

 

 退任式で事務次官が読み上げて下さるつもりで用意していただいた「送る言葉」を頂きました。

 マスコミの皆さんにフルオープンで実施される予定だった退任式でしたので、安田事務次官の力作を本欄にアップさせていただき、総務省全職員のご厚情に感謝の意を表させていただきます。

 

 

<安田 充・総務省事務次官による「送る言葉」>

 

 高市大臣は、平成26年9月3日に着任され、2年11箇月、歴代1位となる1,066日のご在任でした。

 在任中のご功績の一端を申し上げ、感謝の意を表させていただきます。

 

(生活者視点)

 

 高市大臣は、常に、ご自身が生活者の1人として、「直面する様々な課題を、広範な政策資源を持つ総務省の力で解決できないか」と、生活者視点で施策立案をされました。

 

 歩行が困難で投票所に行くことができない在宅高齢者の投票機会を確保するため、「郵便等投票」の対象者の拡大に取り組まれました。

 地域で暮らすご高齢の方々の安全のため、防災行政無線の戸別受信機配布の支援制度を、また、高齢者の雪降ろし支援のための特別交付税の新枠を設けられました。

 

 スマートフォンの料金負担の軽減と端末販売の適正化を推進いただき、利用者の多様なニーズに対応した新料金プランの導入や、行き過ぎた端末購入補助の適正化が進展しました。

 医療機関において安心・安全に電波を利用するための環境整備に取り組まれました。

 

 NHKに関して生じた様々な課題に対し、国民目線での対応をとられ、業務・受信料・ガバナンスの三位一体での改革を求められました。

 行政評価・監視についても、「貸切バスの安全確保対策」など国民の安心・安全に関わる喫緊の課題に取り組むようご指示いただきました。

 

(危機管理)

 

 大臣は、「国民の生命と財産を守る」ことを政治家としての使命として常に意識されていました。

 「地域防災力の強化」に心を砕かれ、特に、学生や女性の消防団への入団促進、活動の正当な評価など、これからの担い手の育成に力を注がれました。

 

 ご在任中は、御嶽山噴火、北関東の豪雨、熊本地震、台風10号豪雨、そしてこの7月には九州北部豪雨など自然災害が発災しました。

 速やかに被災地を視察され地元自治体のニーズを把握されたほか、避難所を訪問して被災された方々をいたわり、また、現場で対応にあたった消防関係者を労っていただきました。

 

 外国人、ご高齢や障害を持つ方々に対し、災害時に必要な情報を確実にお届けするため、関係課の政策資源を結集する「情報難民ゼロプロジェクト」を主導されました。

 

 省内の「危機管理」にも心を砕かれ、トラブルは速やかに報告を求められ、適確に対応をご指示いただき、それを公表することで国民の信頼・安心を確保することができました。

 

(総務行政に残された足跡)

 

 ご在任中、新たな制度導入や、大きな制度改正など、総務行政に大きな足跡を残されました。

 

 マイナンバー制度では、制度施行にあたってのセキュリティ対策の強化、マイキーによる地域活性化などマイナンバーカード利活用方策の検討指示等、制度の円滑な導入に御尽力いただきました。

 特に昨年、マイナンバーカードの発行に滞留が生じた際には、各市町村に交付計画の策定を促すなど、滞留解消を図るとともに、発行にたずさわる地方公共団体情報システム機構のガバナンス強化のため、法改正を実現されました。

 さらに、昨年8月に「マイナンバー制度を一元的に担当する大臣」を兼務されて以降は、大臣の強いリーダーシップのもと内閣官房番号制度推進室を2号館に移し、関係部局の一体化を進めるとともに、「情報提供ネットワークシステム」や「マイナポータル」の試行運用と本格運用に向けたスケジュールを再整理していただきました。

 あわせて、マイナポータルの利用環境改善やSNSとの連携、マイナポータルを活用した「子育てワンストップサービス」を全自治体で実施する取組を推進いただき、マイナンバー制度の定着に向けた道筋を付けていただきました。

 

 大臣ご在任中、地方税収は4,7兆円増え、地方の財源不足額は3,6兆円減るなど、地方財政の健全化は格段に進みました。

 経済財政諮問会議等においては、地方財政を巡り、単身、一歩も譲らず大激論を戦わせていただき、財政フレームを確保いただきました。

 特に、平成27年度の地方財政対策において、約半世紀ぶりに交付税法の趣旨に沿った法定率の見直しを実現していただいたことは、長く残る大きなご功績と存じます。

 

 税制改正でも、法人事業税の外形標準課税の拡大という、導入以来11年ぶりの重要な改革を実現いただいたことは、地方自治体の長年の悲願に応えるものでした。

 また、「ふるさと納税」の拡充による地域活性化の促進とともに、その健全な発展に心を砕いていただきました。

 

 経済産業省と連携し、産学官連携による推進体制である「IoTコンソーシアム」を構築いただくとともに、生活に身近な分野で、様々なIoTサービスが、日本全国で次々に創出される環境の実現を目指す「身近なIoTプロジェクト」を推進いただきました。

 

 郵政事業については、金融機関の少ない地域にお住まいの方やご高齢の方にとって大きなメリットがあるとのお考えから、25年ぶりとなるゆうちょ銀行の限度額引上げを、かんぽ生命保険の限度額引上げと併せて実現いただきました。

 

 地デジ日本方式、防災ICT、電波や郵便システム、さらに統計、行政相談などのインフラの国際展開に先頭に立って取り組まれました。

 

 統計については、「国民生活や我が国経済の実態を適確に捉える指標たり得ているか」という問題意識から、新たな消費関連指標の開発に取り組まれました。

 

 大臣ご自身がライフワークとされるテレワークでは、地方への人や仕事の流れを作り出す「ふるさとテレワーク」を強力に推進いただきました。

 さらに、2020年に向けた国民運動プロジェクトとして「テレワーク・デイ」を立ち上げていただき、先月の第1回は6万人超が参加されました。

 大臣の推進力により、テレワークが社会に定着しつつあります。

 

 最後に申し上げたいのは、大臣の私ども職員に対するお心遣いです。

 

 災害対応で徹夜になりそうな時には夜食を、また、法案成立の折には打ち上げ用のお酒を差し入れていただくなど、お気遣いいただいたことで、職員の士気が多いに上がりました。

 また、職員のワークライフバランスにも心を配られ、テレワークの推進、オフィス改革など、総務省内に「働き方改革の輪」が広がる道筋をつけていただきました。

 

(国会対応)

 

 国会対応においても、答弁資料を前日夜に受け取られ、ご自分で確認されるというスタイルをお取りいただいたお陰で、職員は能率的に答弁作成ができ、早朝の答弁レクからも解放されました。

 一方で、大臣には連日、深夜の答弁確認をいただき、5度の国会における2,854回に上る答弁を、常に正確に安定して行われ、我が省が提出した法案は、NHK予算も含めた30件、全て成立を見ることができました。

 

 いつも国家とこれからの世代のことを考え、職員の先を行くご示唆を与えていただいた大臣に心より感謝申し上げますとともに、これからもご指導いただくことを切にお願い申し上げます。

 

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