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悲しみを乗り越えて日本を愛して下さる人

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 8月も今日で終わり…。

 総務大臣という役職にあることから、台風、地震、火山噴火等が発生する度に、現地の被災状況、消防職団員の活動状況、固定電話や携帯電話など情報通信網の被害状況、テレビやラジオなど電波の状況など、深夜でも早朝でも秘書官から報告が入ります。
 多発している自然災害への心配から、緊張が続いた夏でした。

 この8月で最も印象深かった出来事は、8月4日の夕方に、ジェフリー・アンダーソンさんとお会いしてお話をしたことでした。

 ジェフリーさんは、米国バージニア州出身の青年です。

 今年度のJETプログラムにALTとして参加する為に、8月2日に来日されました。
 3日、4日と都内で行われた2日間に渡る研修を受けた後に、大臣室に寄って下さいました。
 翌5日には、赴任先に向けて移動するということでした。

 このジェフリーさんの姉上のテイラー・アンダーソンさんも、2008年に大学を卒業後、JETプログラムのALTとして、宮城県石巻市内の小中学校に勤務しておられました。

 そして、2011年3月11日の東日本大震災。

 テイラーさんは、石巻市立の万石浦(まんごくうら)小学校で、校庭に避難した児童を保護者に引き渡した後、自転車で万石浦中学校方面に向かい、津波に巻き込まれました。

 震災発生から10日後の3月21日、駐日米国大使館からバージニア州の御両親のもとに、テイラーさんの御遺体が発見されたという悲報が届いたそうです。
 御両親はもとより、弟のジェフリーさん、妹さん達、恋人のジェームスさん…テイラーさんが遠い異国で命を落とされたことは、どれほど深い悲しみだったかと存じます。

 それでも、姉上の悲しい思い出の国である日本に、ジェフリーさんは来てくれました。日本の子供達に英語を教える為に。

 テイラーさんの他界に対するお悔やみを申し上げつつ、御家族の近況を尋ねる私に、ジェフリーさんは明るい笑顔で答えてくれました。
 御家族も元気にしておられること、姉上の恋人だったジェームスさんは結婚をして幸せになられたこと、自分の赴任地への楽しみな思いなど。

 テイラーさんの御霊が安らかでありますように。米国のアンダーソンさん御一家が健康に過ごされますように。そして、ジェフリーさんにとって素晴らしい日本滞在となりますように、お祈り申し上げます。

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