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海賊対策新法について①

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 去る2月22日の読売新聞朝刊に、「海賊行為への対処等に関する法律案」(仮称)、いわゆる海賊対策新法の準備が、政府内にて着々と進んでいる旨が報道されていました。
 予算案が衆議院を通過したら、速やかに海賊対策新法の成立を図るべきだと思います。
 
 海賊被害が頻発しているソマリア沖・アデン湾は、スエズ運河を経由して欧州とアジアを結ぶ国際海上輸送の重要な航路です。
 この海域の安全確保は、貿易立国である日本の経済及び国民生活にとって極めて大切であることを、是非ともご理解いただきたいと思います。

 年間通行船舶18000隻のうち、9分の1にあたる約2000隻が日本関係船舶です。
 昨年10月以降は2日に1度の割合で海賊事件が発生しており、日本の船舶も海賊による「乗っ取り」や「銃撃」の被害に遭い、日本人も「人質」になりました。

 現在は、日本関係船舶は、EUなどの軍艦にエスコートしてもらっていますが、各国とも護衛船の数や人手が足りないため、自国の船舶保護が優先になっています。

 先月、日本の船主会の方々からお話を伺いました。

 日本関係船舶は、他国の護衛船に個別にエスコート申請をし、優先順位待ちをし、先方の指定日時に合流しているとのことですが、「安全ただ乗り状態への心情的負担がつらいです」、「武器使用制限があるのは分かりますが、軍艦がエスコートして航行している船が海賊から襲撃を受けた例は発生していないので、日本の自衛艦がエスコートしてくれるだけでも安心なのです」とおっしゃっていました。

 また、「別の航路を通ればいいではないか」という意見もありますが、船主会によると、南アフリカ喜望峰周りにすると、6500km迂回することになり、10日は余計にかかり、1航海あたり3000万円の経費増となるとのことでした。

 実際には「安全ただ乗り」ではなく、日本政府は海賊対策の国際的取組に対して、既に500万ドルの拠出・研修協力を行っています。
 しかし、船舶護衛を他国任せにしている現状を放置すると、再び「金を出して汗をかかない日本」ということになります。

 海賊は重大な犯罪行為であり、先ずは、国家として、「自国民の生命と財産」を守ることが重要です。
 国際法上、「公海海上警察権」の行使として、軍艦等による海賊行為の取り締まりが認められていますので、既にアメリカ・EU各国・中国・インドなど21カ国以上が護衛船舶を派遣していますが、対応する国内法整備は各国とも遅れているのが現状です。

 確かに国内法の整備は極めて重要ですが、現実問題として日本関係船舶が危機にさらされている以上、その船舶・乗務員を保護することこそ、喫緊の課題です。
 
1日も早く海賊対策新法を成立させて、「武器使用要件緩和」や「他国船舶保護」を可能にすることがベストですが、「海上警備行動による先行派遣」を行い、新法成立後に新根拠法に基づいた活動に切り替えれば良いわけですから、せめて、現行法制下でも実施可能な日本籍船舶のみのエスコートだけでも、他国に迷惑をかけず自国で行うことを早急に実施すべきだと思います。

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