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渡辺喜美・元大臣の造反に思うこと

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 本日、自民党の全国幹事長・政調会長会議が開かれ、渡辺喜美・元大臣の造反への怒りの声が多く上った旨が報道されていました。

 民主党が提出した衆議院解散を求める決議案そのものが、日本国憲法を知らないのではないかと思えるシロモノでした。
 仮に決議案が可決していたとしても、今回の決議案に解散を実現する効力は無く、本気で解散を求めるのであれば、「内閣不信任決議案」を提出すべきなのです。

 この馬鹿馬鹿しい茶番劇に、渡辺・元大臣が乗ってしまったことは残念でした。
 渡辺・元大臣の行動を支持する方からはご批判をいただくかもしれませんし、私自身は、安倍内閣でともに閣僚として働いた渡辺・元大臣の公務員制度改革への勇気ある取組みに敬意を表し応援していた者でもありますが、敢えて書かせていただきます。

 渡辺・元大臣ご自身も、僅か3ヶ月前、衆議院本会議場で自らの手でペンを持ち、内閣総理大臣を選出する首班指名選挙で「麻生太郎」と書かれたはずです。
 効力は無いにしても内閣不信任決議案と同類の民主党の決議案に賛成することは、ご自身の首班指名投票が間違っていたことを認めた行為です。
 民主党案に賛成をされるのであれば、先ず、首班指名投票での自らの失敗(?)を国民に詫びられた後で賛成されるべきではなかったかと思います。

 私は、国民の代わりに多くの法律案を審議して賛否を決めさせていただいている国会議員として、首班指名選挙の1票は最も重い1票だと考えています。これは、日本の舵取りを任せる内閣総理大臣を選ぶ1票だからです。

 結果的に、自ら選んだ内閣総理大臣や内閣への国民の支持が低迷したとしても、責任を持って選んだ限りは、国家国民の為になる「結果」を出してもらえるように、とことんサポートするのが、投票した者の務めです。
 それでも内閣が実績を上げられなかった場合には、現総理に首班指名の1票を投じた与党国会議員全員が、直近の選挙で国民の厳しい審判を受けることになります。

 過去の首班指名選挙でも、本会議場で投票をして出てくるなりマスコミの取材に応じて、新しい総理大臣の悪口を言う与党議員がおられました(今は他党に移られましたが)。
 政府と与党で長い議論を重ねた上で国会に提出された法律案について、本会議で賛成投票をした後に、国民ウケが悪いと見るや、政府批判をする議員もおられました。与党内で法案審査をしている段階では、全く会議に出席もせず発言もされない方が、テレビカメラに向かってだけ発言されることに疑問を感じます。

 代議制民主主義の日本で重大な役割を担う国会議員が、自分の選挙のことだけを考えて、マスコミ世論の風向きを見ながら行動することは、実に無責任なことだと思います。

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