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政府の中小企業金融支援に寄せられた声

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 11月以降、経済産業省では、大臣と2人の副大臣と2人の政務官の計5名が手分けをして、北海道から沖縄までを廻っています。
 中小・小規模企業、金融機関、信用保証協会、商工団体、市町村等から、政府が実行している「中小企業金融支援策」に関するご意見を伺っているのです。

 私の担当エリアは、近畿地方と中部地方でした。
 この地方ヒアリングで伺ったご意見は、出張から戻るとすぐに報告書にまとめ、自分なりの改善策案を付して二階大臣に報告しています。

 今秋以降、原油価格は下落したものの、円高や世界規模の金融危機の影響を受けて、景況は急激に悪化しました。
 政府では、中小・小規模企業の資金繰りを支える為に、「緊急保証制度」をスタートさせ、対象業種も、当初の185業種から、545業種 ⇒618業種 ⇒698業種(現在)と、累次に渡って追加してきました。
また、日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付枠」も拡大しました。

 しかし、せっかくの政策も、真に金融支援が必要な事業者にご利用いただかなくては効果がでませんし、年末など事業者にとって資金繰りが大変な時期にこそ、融資が円滑に実行されなければなりません。
 二階大臣の「経済産業省・中小企業庁でやれる限りのことは全てやるつもりで中小企業を支えるから、しっかりと現場の状況を調べて来い」という強い思いを受けて、地方ヒアリングの場には、「切実なお声を、ひと言も聞き漏らすまい」という姿勢で臨みました。

 第1に気付いたことは、「中小企業金融支援策に関する広報の不十分さ」でした。

 限られた政府広報予算枠で、新聞・ラジオ・テレビ・HPでの広報はしているものの、まだまだ制度の内容が正確に伝わっているとは言えない状況でした。
 テレビやラジオで流す短い政府広報は、各省庁が好きな時間を選べるわけではありませんので、中小企業経営者が仕事に没頭している時間帯に放送されるなど、効果的な対応ができていません。
 新聞の政府広報も、予算の制約から、大きなスペースを確保することは困難です。
 
 地方の商工会議所や商工会、商店街振興会などが、政策パンフレット配布に協力して下さっているのですが、人員や事務費の制約から、とても会員企業者全員には配布できないようです。

 この点については、「個々の事業者まで行き渡る広報手法、及び協力団体の負担軽減措置の検討」として、私なりの具体的改善案を数点、大臣にお伝えしました。

 第2に気付いたことは、「緊急保証制度対象業種の該当性判断に、バラつきがあるのではないか」ということでした。

 例えば、近畿地方のある会場で、フラットパネルの鏡面加工処理企業の経営者が、「自社は『研磨業』なので、緊急保証制度の対象外になってしまっている」と発言されました。
 ところが、フラットパネルの鏡面加工処理は、既に対象業種となっている「その他の金属表面処理加工業」に当たるので、緊急保証制度をご利用いただくことが可能なのです。
 私の選挙区事務所に相談に来られる中小企業者からも、同様の話を多く伺います。

 中小企業者にとって「自らの事業が、どの指定業種に該当するのか」が分かりにくく、認定作業をしている市町村窓口における解釈にもバラつきや誤解がある可能性を感じました。

 この点についても、二階大臣に、「関係機関(市町村窓口、商工団体、金融機関、信用保証協会等)が使用する対象業種一覧表に例示を挿入するなどして、解釈の統一化を早急に図るべき」との提案をしました。
 698業種全てに例示を入れるのは現実的ではありませんが、判断が難しい業種や問い合わせが多い業種については、近日中に、中小企業庁から関係機関に対し、例示と通達の文書を発出することになりました。

 また、業務内容が複数業種にまたがり、既に「主たる業種」で緊急保証制度を利用していた企業が、「主たる業種」以外の業種で緊急保証制度を申請されたのですが、「以前の申請書類に記載した『主たる業種』とは違う業種での申請は駄目」と、制度の利用を断られたという話も伺いました。
 
 これは、対応した窓口の方の誤解で、本当は、「主たる業種」以外の事業であっても、それが緊急保証対象業種になっている場合には制度を利用できる(具体的には、「従たる業種」であっても、その事業の為の資金であれば保証を受けることが可能)のです。
 既に、11月に中小企業庁から通達が出ていたのですが、周知徹底がなされていなかったようです。
 この件も、近日中に、改めて通達を出すこととなりました。

 第3に気付いたことは、「類似の業種であるのに、指定対象業種から漏れ落ちている業種が複数ある」ということです。

 これについては、地方ヒアリングで中小企業者から指摘をいただいた業種に加え、多くの与党国会議員の事務所に寄せられたお声も合わせて、随時、中小企業庁長官にお伝えをしてまいります。
 次回の業種追加のタイミングに、必要な拡大ができるように頑張ってまいります。

 第4に気付いたことは、「市町村の業種認定窓口の負担の大きさ」でした。

 中部地方の市役所幹部からは、「対象業種が急激に拡大したことから、市の窓口での業種認定判断に時間がかかり、当初は6時間待ちの状態だった。認定に携る職員数を99人から179人に増員して対応している」、「いっそ、対象を全業種に拡大してくれたら助かる」との声もありました。

 こればかりは、信用保証制度に使える予算規模との関係もあって財務省との相談になりますから、無責任なお約束はできず、現段階では、前記しました通り「対象業種の可能な限りの追加」で対応せざるを得ません。

 第5に気付いたことは、「企業によって、表面化する数字だけでは判断できない多様な事情があり、より細やかで柔軟な制度運用が必要だ」ということです。

 ヒアリングでは、「今年度上半期の決算内容が比較的良かったため、下期に悪化していても要件に合わない」というお声をいただきました。
例えば、受注明細等で証明できれば認定するなど、認定マニュアルの具体化を検討しなければならないと思いました。

 「原材料価格の高騰に合わせて『販売価格』も上げた為に、対前年比で『売上』は減少していないのだが、『利益』は減っていて、経営が厳しい」というお声もいただきました。

 また、ある県の信用保証協会が緊急保証制度で承諾した保証件数の半分は、既往の保証付き融資が存在しているとのことでした。
 これらの既往の保証付き融資に対する元金の返済猶予など、借入負担感を緩和するような対応も必要かと思いました。

 以上のような運用改善に関する検討事項も、二階大臣にお伝えしたところです。

 第6に気付いたことは、「一部の大手金融機関の対応への不満が根強い」ということです。

 地方銀行、信用金庫等は、平素から中小・小規模企業を主な顧客としていることから、今回もきめ細やかな対応をして下さっているようですが、一部のメガバンクの対応について、ご不満の声を多く伺いました。
 「緊急保証制度を使った旧債振替が行われている」、「金融機関が、事業の内容(技術・技術の市場実態等)を理解せぬまま、融資条件を厳しくしたり、貸さなくなってしまう」、「銀行は商店街に支店を構えているにもかかわらず、商店街振興に非協力的だ」等、様々なご意見が出ました。

 この点についても、二階経済産業大臣と中川金融担当大臣が協力して、銀行協会、金融機関に対し、「借り手の立場に立った対応の徹底」を、何度も依頼して下さいました。

 この他にも、「商店街支援策の強化」、「公共事業の前倒し執行」、「助成金等の申請手続きの簡素化」、「低公害車導入補助の拡充」等々、他省案件も含めて、政府に対する多くのご要望を伺ってまいりました。

 麻生総理は、「日本は、世界で最も早い景気回復を目指す」という意気込みです。

 先ず、何より大事なのは、失業者をこれ以上増やさないこと。その前提として、事業主体数を減らさないことが必要です。企業の倒産を出来る限り防ぐべく、当面の資金繰り支援に更に力を入れることは喫緊の課題です。
 加えて、新しい雇用を創出する為の「攻めの産業政策」も忘れてはなりません。

 私も、二階大臣を精一杯サポートしながら、厳しい景況を脱する為に力を尽くしてまいります。

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