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「クローン人間」

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 結構怖いホームページがあるのです。
「CLONAIDは、初のクローン人間の赤ちゃん作りを開始します」
CLONAIDは、ジュネーブの宗教団体「ラエリアンムーブメント」の創始者ラエル氏が設立した会社の名前です。

 このページには次のように書かれています。
「私たちは、全ての過程で全面的支援をする顧客を見つけました。これは完璧なケースです。依頼主は、アメリカ人のご家族で、彼らはつい最近病院の医療ミスで10ヶ月になる赤ちゃんを亡くしたばかりの人たちです。(中略)医療ミスで殺された赤ちゃんの命を復活したいと願うこの家族に反対する親たちは地球上に誰一人としていない筈です。CLONAIDがよみがえらせる美しく健康な赤ちゃんは、何年も前、試験管ベビーがそうであったように子供の笑顔で十分にその重要性を語るでしょう。その笑顔によって、試験管培養と同様にクローン人間創造が当たり前になっていくのです」
 ご丁寧にラエル氏やこの会社の科学者代表のボアセリー博士への取材問い合わせ電話番号まで掲載されています。

 そして、読売新聞の記者が本当に取材をしたところ次のような回答があったとのことです。
「10月末から、クローン赤ちゃん作りのプロセスに入る。2ヶ月位の期間の後、母胎に移植する予定。クローン胚を母胎に移植する代理母は既に50人確保している」
「一連の作業を実施する国は米国。米国ではクローン人間作りに対する法規制が無く、多様な世論が有り、クローン規制が早期に実現するとは思われないことがその理由。ただし、クリニックに対するテロ行為が懸念される為、場所は明確にできない」

 以前からクローン人間作りを宣言していた宗教団体がとうとう本格的に作業を始めたのです。
このインタビュー資料に目を通すなり、腕にブツブツと「さぶイボ」が立つのを感じながら「ほれっ言わんこっちゃない!」と叫んでしまった私でした。

 デンバー・サミットで各国は「クローン人間産生を禁止すべき」という合意をし、それぞれに国内法を整備することとしました。既にフランス、ドイツは法整備済み、イギリスや韓国も審議中です。
 日本政府も今国会に「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案」を提出、審議予定となっていますが、民主党からも対案が出て、かなり科学技術委員会での審議は難航しそうなのです。
「民主党案のように研究全般に規制をかけ過ぎると人命を救える先端医療の可能性も奪われる。議論の分かれる細かい研究規制は後にして、とにかく今国会ではクローン人間作りを禁止する法律を先行して早急に成立させるべきだ」と自民党は考えています。
 法整備の遅れたアメリカが、宗教団体のクローン人間作りの場所に選ばれてしまったことを考えると、日本もモタモタしていると明日は我が身になりかねないからです。

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