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「勝手に国連サミット」 その2

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 「勝手補佐官の勝手に国連サミット」の企画でニューヨークに乗り込んだ私達4人組は、2日目以降も時間を惜しんで走り回りました。 
 米国外交評議会メンバーとは安全保障や経済政策の議論、ジャパン・ソサイアティーの日本研究者には森総理や私達の政策を披露、ブッシュ候補が大統領になったら政権に影響力を持つと言われるゴールドマン・サックス社副会長のホーマット氏との意見交換、ブラウンUNDP(国連開発計画)総裁やユニセフのベラミー事務局長など国連幹部への森政権のアピールなどなど・・。 
 「この度の日銀の金利上げは全く意味がわからないねえ。0・25%じゃ意味がないだろう。ゼロ金利でも0・25%でも異常さは同じだよ。多分、日銀が日銀の独立性を誇示したかっただけなんだろうと思うんだけど、君たちはどう考えてるの?」とか「総選挙で自民党が都市部で大敗したという情報を得たが、敗因は何だと思ってますか?」とか、シビアな質問も沢山受けました。 
 面談したのは米国、英国、カナダなど、多様な国籍の方々でありましたが、「ウイ・アー・セルフ・ノミネイテッド・アシスタント(私達、勝手補佐官です)」と自己紹介を始めると、どの方もプッと吹き出し、次にゲラゲラ笑い出し、やたらウケるので驚きました。 
 それでも「貴方達の様な愉快な若い人達が支えているのなら森総理は長期政権になるかもねえ」などと言いながら、真剣に政策討論に応じて下さいました。
 
 気を良くした私達は、ニューヨークの街頭でビラ配りを始めました。森総理の写真と森総理の人柄、政策を掲載した英文パンフレットを通行人に手渡したのです。「新しい日本の総理のことを知って下さい。森総理は明日の夕方、国連総会議場で演説をします」と呼び掛けながら。
 驚いたのは、実に多くのニューヨーク市民がビラを受け取り、立ち止まって話を聴いて下さったこと。下村代議士は「僕の選挙区(東京11区)では、街頭演説しててもこんなにビラを受け取ってくれないよ」とブツブツ言いながら配っていました。 
 「モリという名前は知らなかったけど、これを読んだら良く解るね」と声をかけていってくれる人に励まされたり「日本の総理はフジモリって名前じゃなかったっけ(ペルー大統領と混同している)」と言う人にがっかりしたり、色々ありましたが、異国での街頭活動を楽しみました。 
 国連ミレニアム・サミットで世界中から首脳が集まるこの機会を狙って街頭では様々な団体によって多くの「政治的パフォーマンス」が行われていました。
 怖かったのは、私達を中国人と間違えた団体に取り囲まれて「アシェイム!(恥を知れ)」と叫ばれた時。チベット問題を訴える団体でした。
 
 そして、今回のニューヨーク企画のハイライトは「勝手補佐官主催・国連邦人職員と森総理の夕食会」でした。
 国連では約120名の日本人が国際公務員として活躍しておられます。(山本一太参議院議員も国会議員になる前は国連職員だったのです)
 森総理に直接会っていただいて、日本の国連外交の在り方について生の声を聴いてもらおうと思ったのです。 
 招待状を出したところ、緒方貞子高等弁務官をはじめ70名以上の邦人職員が中華料理レストランに駆け付けてくれました。 
 驚いたのは、連日過密日程で疲れ切っているはずの総理が、2時間近くかけて全てのテーブルを丁寧に廻り、全員と言葉を交わし彼らを激励してくれたことでした。 
 ある女性は涙ぐみながら「これまで日本の総理がニューヨークに来られたことはあっても、私達をねぎらって下さる機会なんて無かった。これまでの苦労を忘れられるような気がします」と言って下さり、私まで涙がポロリ。
 「国連の各機関に日本は世界一の拠出金を出しているのに、お金の使い道に全く注文を付けないのが日本人としてもどかしい。わずかなお金を出している国でも、お金の使途について指定してくるんですよ」との邦人職人の声に総理は大きく頷いていました。
 ODAや円借款などの経済援助の在り方にも関わる提言、総理がきっと改善してくださることと思います。
 
 それにしても森総理の一人一人に丁寧に誠意を持って接する姿勢と細やかな心配りには学ぶところが多いと思いました。 
 夏に長崎の特養「原爆ホーム」を慰問された際も、時間をかけて汗ビッショリになって入所者全員と握手をして歩き、「毎年のように総理が慰問に来られるけど、全員と握手をしてくれた人は初めて」と喜ばれたと聞きます。森総理のこんな素敵な一面も皆様に知ってほしいナ、と思います。

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