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「天下り」という言葉と日銀人事

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 先週は、日本銀行の正副総裁人事について、福田内閣が3度目の提案を行いましたが、国会で同意されたのは白川方明総裁のみ。副総裁として提案された渡辺博史氏については、民主党の反対によって参議院では同意されませんでした。

 事前に自民党と民主党の幹事長が話し合った折に、民主党の鳩山幹事長は渡辺氏の副総裁就任についても了承していたということですから、福田総理や我が党の伊吹幹事長が「民主党という政党は、誰と交渉したらよいのか分からない」と憤慨されるのも無理はないと思います。

 3度の人事案ともに、民主党の反対理由は「渡辺氏は財務省の天下りだから」というものでしたが、私はずっと「天下り」という言葉に違和感を覚え続けていました。

 日本銀行は、言うまでもなく日本の「中央銀行」で、日本唯一の発券銀行であり、「銀行の銀行」であるばかりではなく、国債の発行や償還、国庫金の取扱いも行う「政府の銀行」でもあります。そして、金利政策や公開市場操作を通じて日本の金融政策を担当する「金融の中枢機関」です。
 このような機関の執行部ポストに財務省出身者が就くことを「天下り」と呼ぶことは、日本の金融の中枢機関の権威を貶めることでもあります。

 広辞苑によると、「天下り」とは「下の者の意向や都合を考えない、上からの一方的なおしつけ。特に、官庁で退職後の幹部などを民間企業や団体などに受け入れさせること」という意味だということです。
 民主党の言い分に違和感を覚えていたのは、私だけではないと思います。

 日本銀行プロパーである白川氏には「国内金融の専門家」として、財務官出身の渡辺氏には「国際金融の専門家」として存分に能力を発揮していただくことで、日本銀行政策委員会は強力なチームになるだろうという期待を込めた人事案でした。
 私自身は「財政の裏付けのない金融政策」には疑問を感じる者ですから、財務省出身者が正副総裁に入っても問題はないと思っています。民主党が拒否した武藤氏、田波氏、渡辺氏ともに、国際的人脈を持ち、金融政策のみならず財政政策への知見を備え、的確な判断が期待できる逸材であったと思います。

 高度に専門的な分野に精通した限られた人材を「適材適所」で活かしたベストの陣容で「世界経済の安定」という困難な課題に臨めないことは、国民にとっても不幸なことだと思います。

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