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1円からの領収書保管

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 臨時国会で成立した「改正政治資金規正法」は、早速、今年の1月1日からの施行になりました。順次、国の方で新制度に向けた準備が始まりました。
 来年からは、国会議員や立候補予定者が代表者を務める政党支部や政治資金管理団体等は、1円以上の支出について、領収書等を保管することとなります。

 このような法改正がされる前から、私の事務所も含めて大抵の国会議員の事務所では、数円単位の支出であっても、レシート等に基づいて全て帳簿に記録し、保管していたはずです。
 つまり、年度末に政治資金の収支報告書を提出しますが、収支報告書は1円単位まで数字が合っていなければなりませんから、乾電池を1個購入しても支出は1円単位で記入されています。
 
 事務作業の手間として大きく変わったのは、届出に添付する「領収書」の金額が5万円以上で良かったのが、1万円超に変更されたことです。

 事務担当秘書にとっては、多数の領収書添付作業にかかる時間が増えたことと、1万円超で5万円未満の支出についても「レシート」では通用しなくなったことが大変であるようです。
 
 事務用品を購入に行って、うっかり1万200円などという合計金額になろうものなら、長蛇の列ができている支払いカウンターで、「宛名に自由民主党奈良県第二選挙区支部と書いて領収書を作って下さい。あっ、第二の数字は算用数字の2では駄目です。漢数字で・・」などと言いながら、後ろに並んだお客さんに睨みつけられるのが苦痛なのだそうです。

 加えて、今までは、300円程の有料道路通行料や、秘書が出先で100円程の文房具を買って立替払いをしてくれた場合に、清算するためにレシートを持ち帰ってもらい、帳簿に正確に記入するためにその年度用のノートに貼っていたのですが、これを3年間保管して、公開請求があったら公開しなければならなくなったことです。
 
 数十円単位のレシートもあり相当な分量になりますから、狭い事務所の中で保管スペースも確保しなければなりませんし、他党の関係者がマニアックに毎日のように細かい情報公開を請求してきたら、秘書たちは対応にかかりっきりになります。
 法律には「公序良俗に反する公開請求」には制限をかける旨が記載されましたが、実際の運用面でどうなることやら、一抹の不安が残ります。

 そもそも、今回の政治資金法改正は、昨年の松岡元大臣の「なんとか還元水」疑惑等が発端になったものですから、私たち自民党議員には反対する権利などありません。
 各メディアも法改正の必要性を繰り返し報道しておられましたし、マスコミの世論調査によると、国民の皆様も「1円から領収書には大賛成」という状況の中で、あっと言う間に成立してしまいました。

 ただ、納税者の視点で考えてみた場合、切なくなるのは、届出に添付された膨大な領収書をチェックするために、総務省の国家公務員を100名増員することとなったことです。
 この法改正によって、公務員給与に社会保険料に退職金まで考えると、莫大な税金が使われることとなったのです。
 
 法案審議段階での党内議論では、様々な声がありました。

「香典や少額の会費など、領収書をもらえない費目に対応するために、裏金を作る政治家が出てくるのではないか。かえって不透明にならないか?」

「国民の税金から支出されている政党助成金であれば、1円以上全てを国民に明らかにする必要があるだろうが、個々の政治家が自分で集めた個人寄付の使途まで、全国民に細かく公開する必要があるのか?」

「そもそも、これまでも領収書添付はしないものの、少額の支出も記入していた。届出添付領収書を1万円超に引き下げたことで増員する総務省職員の給与に莫大な税金が使われることを、国民は十分に納得した上で賛成しておられるのだろうか?」等々。

 政治資金の透明化は必要で、私自身も、常に正確な収支報告をするべく精一杯の努力をしてきたつもりです。
もちろん「改正政治資金法」も遵守すべく、スタッフともども対応していきます。

 ただ、今でも心配なのは、国家公務員の大幅増員に見合った「費用対効果」について、世論が率直な判断をして下さった上での法改正だったのかどうかということです。

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