令和5年度補正予算が成立
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今夕の参院本会議で、令和5年度補正予算が成立しました。
この補正予算は、急激な物価高から国民生活を守り、構造的賃上げと投資拡大の流れを強化するために必要な政策を積み上げたものです。
私が担当する分野に関しても、科学技術・イノベーション、宇宙政策、健康医療、経済安全保障などの施策を確実に実施するため必要な経費が計上されています。
経済対策をできるだけ早く実行に移すことで、足元の難局を乗り越え、未来に向けて日本経済を持続可能で一段高い成長路線に乗せていくことが重要だと考えています。
以下、個別の政策について説明いたします。
【経済安全保障】
〇『経済安全保障推進法』に関連する施策については、令和5年度補正予算において、「経済安全保障の確保に資するサプライチェーンの強靱化」として、総計9,172億円が経済産業省等に計上されています。
〇これは、経済安全保障が、総合経済対策の柱の一つである「成長力の強化・高度化に資する国内投資の促進」や「外交・安全保障環境の変化への対応」に必要な施策として位置付けられたことを踏まえ、新たな特定重要物資の候補である先端電子部品や既に特定重要物資として指定されている半導体などの重要な物資について、安定供給確保を図るために措置されたものです。
〇新たな特定重要物資の2候補については、来年1月末を目途に政令指定ができるよう、しっかり調整してまいります。
【科学技術】
〇科学技術・イノベーション関係においては、成長力の強化・高度化に資する国内投資の促進として、
- 「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」及び「研究開発成果の社会実装への橋渡しプログラム(BRIDGE)」における、生成AI実証・導入支援に280億円
- 国内の水深6,000m海域にてレアアースの回収技術を実証する「大水深採鉱技術の開発に向けた技術的実証」に20億円
- イノベーションの社会実装の実現に極めて重要な国際標準化の取組に対する支援を強化する「イノベーションの創出を促進する国際標準の戦略的な活用」に30億円
- 我が国のスタートアップのグローバル展開促進のための支援等を行う「グローバル・スタートアップ・アクセラレーションプログラムの推進」に19億円
などを計上しています。
【宇宙政策】
〇 宇宙関係については、
- JAXAへの「宇宙戦略基金」の創設に向けて、総務省、文部科学省、経済産業省が3,000億円を計上しており、内閣府が主導して、総合調整を行ってまいります。
また、
- 衛星の研究開発や利用実証に96.9億円を計上し、
- 準天頂衛星システム7機体制の確立と11機体制に向けた検討と開発への着手にも73.1億円を計上しています。
【健康医療】
〇 健康・医療関係については、成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進するため、補正予算に関係省庁合計で679億円を計上しています。
主なものとして、
- 認知症等に対応するためのムーンショット型研究開発の推進 365億円
- 国内の優れた研究シーズを活かした大学発医療系スタートアップの推進 152億円
- 認知症治療等に資する脳科学を始めとした健康・医療分野の研究基盤等の整備 56億円
等の施策を実施することとしています。
【知財・クールジャパン】
〇 知的財産分野においては、イノベーションの成果を基に新たな市場を創出・拡大していくために、国際標準の戦略的な活用の推進と、そのための基盤整備・体制強化に関する施策(2.15億円)が盛り込まれました。
〇 クールジャパンについては、アフターコロナを迎える中、新しい『クールジャパン戦略』について検討を進めていくこととしており、日本の魅力に関する外国人の行動や意識について調査を行うため、0.6億円を計上しています。
【重要土地】
〇 『重要土地等調査法』の関連では、国民の皆様の安全・安心の確保及び外交・安全保障環境の変化への対応に関連する施策として、土地等利用状況調査等の着実な実施に係る事業費(2.4億円)を計上しています。
【遺棄化学兵器】
〇 『化学兵器禁止条約』に基づく遺棄化学兵器廃棄処理事業を加速化し、廃棄計画を着実に実施するため、遺棄化学兵器の発掘・回収、廃棄処理等を行う経費として、137.4億円を計上しています。