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予算委員会質疑報告③:再生可能エネルギーと安全・環境保護の両立:メガソーラー

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○高市委員 奈良県でも、現在、太陽光発電設備の設置計画への反対運動が複数の自治体で起きております。森林を切り開いてメガソーラーを設置することについて、議会や住民の皆様は、環境破壊、水道水源の汚濁、土砂災害などを心配しておられました。土砂災害については、電気事業法で一定の規制があることは承知をいたしております。

 これまでは、地球温暖化対策にも資する施策として、国土交通省は緑地の整備や屋上緑化に取り組み、農林水産省は森林を整備し、環境省も美しい自然環境の保護に力を入れてこられたはずでございます。

 菅内閣時代に再生可能エネルギー推進の必要性を最も強く主張してこられたのは環境省でございました。メガソーラー設置のために豊かな森林の伐採が進むことによって、かえって地球温暖化が進んでしまうのではないかという疑問の声も伺ってまいりましたが、環境大臣のお考えをお伺いします。

 

○山口国務大臣 確かに、二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて、再エネの最大限の導入が不可欠ですけれども、しかしながら、御指摘のように、太陽光発電のためにみだりに森林伐採が進めば、自然環境あるいは景観への影響、先ほどもありました土砂流出による濁水の発生、あるいはCO2吸収源としての機能を含めた森林の多面的機能への影響が懸念されます。

 こういう懸念が生じないように、環境に適正に配慮、あるいは地域における合意形成を丁寧に進めるということが、より適切な再エネの導入につながるというふうに認識しています。

 このため、環境影響評価法では、大規模な再エネ事業について環境アセスメントを義務づけており、環境保全の見地から、環境省としても必要な意見を述べています。

 また、特に、今年の四月からは、改正地球温暖化対策推進法により、地域における円滑な合意形成を図りつつ、再エネ促進区域において、適正な環境配慮を通じて地域に貢献する再エネを促進する仕組みが導入されます。

 環境保全の観点からは、促進区域とすべきでない場所の考え方を提示するということも含めて、改正法を効果的に運用することによって、地域と共生する再エネ導入を促進していきます。

 さらにまた、経済産業省で行われているように、再エネの事業規律強化のための取組も進められていると承知しております。関係省庁とも連携しつつ対応してまいりたいと思います。

 

○高市委員 ありがとうございます。

 この改正地球温暖化対策推進法、四月からということなんですが、法施行前に売電認可や土地取得が終わっていても、これは適用可能でございますか。

 

○山口国務大臣 法律の施行は四月からですけれども、従来から、地域における合意形成を丁寧に進めるということを努力義務として申しているところであります。正式には四月からでしょうけれども、これまでの考え方の延長だと認識しています。

 

○高市委員 しっかりと目配りした運用をお願い申し上げます。

 今後、デジタル化の推進によりまして、消費電力は急増してまいります。総理のデジタル田園都市国家構想では、五年程度で十数か所のデータセンターを整備するとされていますが、データセンターの消費電力も現在の技術では膨大なものになります。

 この地球温暖化対策と高圧で安定的な電力供給が必要な産業の維持発展を両立させるため、昨年十月の衆議院選挙の自民党政権公約では、安全が確認された原子力発電所の再稼働、SMR、小型モジュール炉の地下立地、究極のクリーンエネルギーである核融合、つまり、ウランやプルトニウムが不要で、高レベル放射性廃棄物が出ない高効率発電の開発を国を挙げて推進し、次世代の安定供給電源の柱として実用化を目指すことをお約束いたしました。令和四年度予算案には、早速、核融合発電の実現に向けた基幹技術の研究開発予算も計上していただいております。

 主に産業向けの安定的な電力供給の方法として、特に、安全が確認された原子力発電所の再稼働やSMRについて、総理のお考えを伺います。

 

○岸田内閣総理大臣 まず、委員御指摘のように、デジタル化が進む中で、使用電力量が増大する、その電力を賄うためには、グリーンという観点、もちろん大事ですが、あわせて、安定供給と、そして価格、コスト、これらもしっかり勘案していかなければいけない。そのためにも多様なエネルギー源が求められる、これは我が国のエネルギー政策の基本であると思っています。

 そして、その選択肢の一つとして、御指摘の原子力でありますが、今ある原子力発電所については、安全性の確保を大前提に、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合には、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めていく、そして更なる安全性の向上に向けて技術開発などに不断に取り組んでいく、これが基本的な考え方です。

 そしてその上で、二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するために、先ほど言いました、あらゆる選択肢を活用するという考えの下、日米間の協力が様々な形で進んでいることも踏まえて、小型炉や高速炉を始めとする革新原子力の開発などに着実に取り組んでいきたいと思っています。

 また、非炭素電源となり得る核融合は、気候変動問題への対応に重要な技術であると認識をしており、政府としては、核融合研究開発、これも引き続き推進していきたいと考えております。

 

○高市委員 よろしくお願いいたします

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