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「自民党総裁選挙に思うこと」

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 永田町は自民党総裁選挙一色です。「総辞職する内閣相手に質疑は出来ない」との野党の主張ももっともで、委員会審議もストップしています。

 総理大臣の大きなスキャンダルや病気といった事情以外で、通常国会の真っ最中に、内閣提出の重要法案の審議もまだ途中なのに、内閣総理大臣が退陣表明に追い込まれるというのは「異常事態」です。
 それも理由が「森総理が看板では参議院選挙で自民党が勝てないから」というだけ!
 「党利党略だけで納税者や議会を軽視した暴挙に出た」と批判されても仕方ありません。

 私はこれまでも、党内での発言の場や森総理と話せる機会を利用して、「例え内閣支持率が1%となっても、『教育改革』『IT革命』という内閣の柱となる政策に連動した法律案だけは成立させて『森内閣の仕事の結果』を出さなければ、国民に対して無責任過ぎる。総裁選挙は、法律が仕上がった通常国会終了直後でいいのでは?」と申し上げてまいりました。

 それでもこの時期に断行されてしまう総裁選挙ですから、「目的」はハッキリしているのです。「森総理では参院選に勝てない」から総裁を替えるとのことですから「参院選に勝てる総裁を作ること」以外に自民党としての「目的」はないはずです。
 総裁選挙の実施方法について古賀幹事長と議論した会議の席でも、それを決定する両院議員総会でも、私は呼び掛けました。「それなら、総裁選挙の方法も、参院選に勝てる方法でやりましょうよ」と。

 党執行部の総裁選挙実施方法案は「新しい総裁の任期は、今年の9月30日までとする」
 「党員票は各都道府県3票ずつとする」というものでした。

 「こんな異常な時期に一国の内閣総理大臣を取り替えることについて、唯一国民に説明がつく理屈は『もうすぐ任期の終わる総裁を看板にするのではなく、今後数年間、自民党はこの人をリーダーとしてこのような政策を実行します!という訴え方で参院選に臨む方が、国民に対して誠実である』ということだけです。それなのに、新総裁の任期を9月末までにするのでは、無責任過ぎますよ」
 「選挙に勝つことを目指すなら、昨夏の総選挙での自民党の敗因が都市部での大敗であったことを思い出すべきです。例えば東京都は奈良県の6倍もの数の小選挙区支部長が有り、党員の数も莫大です。全都道府県連一律3票では余りにも都市部軽視になりませんか?」と訴えてみましたが、あえなく却下されちゃいました。

 いずれにしても、総裁選挙投票日は間近。

 新しい日本のリーダーに求められる要件は「経綸を明確に示せること」だと思います。
 つまり、国家目標を設定して、国民を説得できる力量が問われます。

 例えば、不良債権処理は一刻も早く進めなければ、成長産業に資金は供給されません。
 しかし、断行すると、一時的に倒産件数、失業者数とも増加します。改革に伴う痛みをいかに説明し、国民が痛みを耐えた後の未来像を示せるか?

 党総裁としては、「選挙の度に低投票率を期待する特定団体利益代表政党」と化した自民党のイメージを「国民政党」に転換させる為の戦略を持っているかどうか?

 そんな視点で、私の1票は行使したいと思っています。

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